キックスタート☆マイ・ハート

夫婦ともに車が好きで、運転が好きである。
だから仕事でもプライベートでも遠出のときはいつも車。
旅情、という点で言えば、きっと列車の方が五感に訴えるものがあって、いいのだろうけど。
たとえばプラットホームの喧騒だったり、静寂だったり、窓に映る景色の変化だったり、シートに伝わる心地よい振動だったり、思いがけない出会いだったり・・・。
でも車にはそういったものはない。あっても希薄である。
大体こっちは運転している。景色に思いを馳せるのも風を感じるのも信号待ちの2分間くらいだ。その2分の間に素敵な女性と目が合って、明らかに二人の脳裏ではお互いの上着を脱がせ合うくらいのところまで行ったとしても、信号が青になったら秒速数メートルの速さで僕はそのひとを捨てるのだ。そのやるせなさ!
列車でもそういうことはよくあるが、列車の場合は自分の意思とは関係なく別離が演出されるのでドラマティック。
ドアが閉まり、ゆっくり、ゆっくり、少しずつ速度が上がり、少しずつそのひとは小さくなる。そして生暖かい座席の上で胸いっぱい広がる自分のアホさ加減をガムと一緒に紙に包んでポケットに突っ込むのだ。
車か列車、どっちで移動しようが僕が愚か者であることに変わりはないのだが、個人的にはやはり車のほうが落ち着く。他人と同じ空間で向かい合って座っていることに何年経っても慣れないからだ。
自意識過剰な僕はいつも見られている気がしてしまうのである。のど飴を口に入れる瞬間の顔や、取り出した本の背表紙や、鼻をかんだあとのティッシュの行く先などを逐一!
それが苦痛である。被害妄想の苦痛。
しかし世の中には僕と違って見られることに何の抵抗もない人が多勢いて、シートに座りながら堂々と、自分のブスな顔が安物の化粧品でもある程度は修正されるのを実演してくれたり、親戚の不幸や息子の嫁の短所を運転士にまで聞こえそうな声で語り合ったりする。
そんな彼らは自意識が過剰なのか、それとも欠如しているのか、よく分からない。

その点、車はラジオさえつけなければそんな下劣な世界から自分を切り離せる。
切り離したまま移動できる。しかも大音量で音楽も聴け、どれだけ政治や園芸について熱く語っても誰かに眉をしかめられる気遣いもない。
要するに、気が楽である。自分たちの気性に合っている。

知らない街の懐に飛び込んでいけるのも車のいいところだ。
駅まで車で数十分、なんて町はまだまだたっくさんあって、そういうディープなスポットも思い立ったら足を伸ばすことが出来る。

そんな感じで、ずーっとずーっと今までやってきた。

知らない街から知らない街へ、
朝の顔、昼の顔、夜の顔
僕は音楽とともに走り抜けてゆく。
そして
ときどき立ち止まる。

名古屋の足元を


大阪の額を

超えて
戻って
回って、

この国を感じる。

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2015.12.17 | | 未分類(日常、随筆)

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