ロックは花を駄目にする?

デンバーのオルガン奏者でソプラノ歌手のドロシー・リアラック夫人は1968年、ある実験を行った。
夫人は全く同じ条件に維持された2つの温室を用意し、そこにトウモロコシやカボチャ、ペチュニア、ヒャクニチソウ、キンセンカなどを植え、一方の温室にはクラシック音楽専門のラジオを流し、一方の温室にはロック専門チャンネルを流した。

するとやがて、クラシックを流したほうの植物はラジオのほうへ向かって伸びていき、そのうち一本はラジオの周囲にやさしく抱きついた。

一方、ロックを流したほうは、ラジオから遠ざかるように伸び、ガラスの箱をよじ登ろうと(逃げ出そうと)していた。しかもロックのほうは葉も小さく、あるいは発育そのものが止まり、キンセンカにいたっては2週間後に全部死滅したという。

さらに夫人はなぜロックが植物に対してこのような結果をもたらすのか疑問に思い、強烈なスチールドラムだけを聞かせる実験を行った。
その結果、植物は垂直線から10度ほど音源に対して反対方向へ傾いた。これによって、どうやら植物は、ロックほどではないが、打楽器の音が苦手らしいということが分かった。

 

これはアメリカで実際に行われた実験である。大きな反響を呼んだので後日、CBS(テレビ局)が同じ実験をしたが、同様の結果が出たという。

 

道理でうちの植物がみ~んな家とは逆のほうへ伸びようとするわけだ。あまりにも旺盛に首を外へ外へと伸ばすので、てっきり元気のいい証拠だと思っていたが、あれは「うるせえんだよ!」という意思表示だったのか。そうとも知らずに朝から普通にヘヴィメタ流しててゴメン!でも僕は教養のない人間なので、オルガンといったらディープ・パープル、バイオリンといったらジミー・ペイジ、ヴェートーヴェンの「悲愴」といったらビリー・ジョエル、ワグナーから連想するのはメタリカ・・・。
そんなロック馬鹿なのでうちの庭でモーツァルトが聞こえてくるときと言ったら、奥さんがピアノを弾くときだけだ。ならせめて「コールドプレイ」くらいにしときゃいいのかもしれないけれど、それじゃ花より先にこっちが枯れちまう。


それにしてもこのリアラック夫人、よほどロックが嫌いだったと見える。でなきゃ「キンセンカがロックを聴き続けたせいで死滅した」なんて恥ずかしくて言えない。こんな実験をしてまでロックを貶めるくらいだから相当なもんだ。キンセンカが枯れたのは多分、夫人としてはロックがガンガンに流れている温室にはあんまり行きたくなかったので、それで水をやるのをうっかり忘れたからに違いない。

それに時代が時代だ。1968年と言ったらロックが最も社会的に非難され、迫害され、公権力の圧力を受けていた頃(そして同時に最も華やかだったころ)である。リアラック夫人の実験が「ほら、植物も嫌がってるじゃないの!」と、ロックを毛嫌いする体制派の人たちに大歓迎されたであろうことは想像に難くない。

また、リアラック夫人はロック専門のラジオを温室で流していたというが、その当時もっとも「うるさい」と言われたバンドは「ザ・フー」である。「MC5」もアンプを何台も使った爆音演奏で名を馳せたバンドだが、バンドの性質からしてデンバーのラジオ局で流れていたとは思えない。ストゥージズはまだデビューしていないし・・・。
それに夫人は「ドラムの音が植物に悪影響を与える」と思いこみ、スチール・ドラムの音だけを聴かせる実験もしている。そう考えると、夫人にこの実験を決意させ、世界中に「ロック=植物をダメにする」という定説を広めた真犯人は・・・

 

キース・ムーン、お前かー!!


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2011.10.23 | | 音楽

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Author:yuhei
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