土よサラバ?水耕栽培を考える

奥さんが水耕栽培に興味をもち、色々、関連する本を図書館から借りてきた。

説明するまでもないと思うけれど、「水耕栽培」というのは養液を使って植物(ここでは主に野菜をさす)を育てる栽培法をいう。フタに穴をあけた容器に液体肥料などを混ぜた水を入れ、そこに苗を挿し、日の当たる窓辺などに置き、適度に養液を交換してやるだけでグングン育つという。(主流はちゃんと種から育てる)近年、技術の発達と消費者の潔癖志向とが重なってか、静かなブームになりつつある。
「土を使わない園芸」が密かに広がっている、というのは知っていた。
去年「もやもや農薬話」という記事で、LED照明と水槽と野菜の種がセットになった「LED栽培キット」なるものが売られていることついて言及した。時代が少しずつ「土」から離れようとしている小さな地響きのようなものをそのとき感じた。
土で作る限り害虫が来る、農薬を使わざるを得なくなる。自力で耕すから体力もいる。日に焼ける。汗をかく。害虫による、見たくもないグロテスクなシーンに遭遇したりもする。挙句の果てにろくすっぽ収穫できなかったりする。(うちのこと)
それが楽しいんじゃん、何言ってんの?だからこそNHKの「野菜の時間」は元気一杯さわやかに屋外の畑でクワをふるって汗かいてるんじゃないの。
その通り。基本的には僕もその意見に賛同する。「野菜の時間」とか言いながら部屋の中で液体肥料混ぜて容器に入れてたらサマにならない。
しかしこれを見ると土耕栽培=ベストとも言えなくなるのだ。
「ハイポニカ」という液体肥料を製造販売している協和株式会社が水耕栽培で育てている、トマトの木。

たった一株で17000個もの実を付けた。
もちろん特殊な設備と液体肥料の賜物だが、100年後の農家は皆こうなっているかもしれない・・・と思うと考えさせられる絵だろう。
ちなみに普通の土耕栽培だと一株のトマトから収穫できる実の量はせいぜい80個だそうだが、水耕栽培だとその何倍もの収穫量が期待できるという。
なんだか、「試験管ベビー」みたいで良い印象を持てない、という人もいると思う。僕も多少そうである。
しかしこの栽培法なら虫に食われる心配はほぼなく、洪水や台風、熱波によって野菜が台無しになり、結果、「野菜品薄」⇒「値上げ」⇒「家計直撃」(現に今がそうだが)という負のサイクルも過去のものになるかもしれない。
そう思うと水耕栽培とやらに少し希望を見出さずにはおれなくなる。
それに日本の住環境の問題もある。
人口減少&空き家増加にもかかわらず馬鹿みたいに庭のない狭小住宅を作り続け、無意味に地価を上げ、建てては壊し、建てては壊しを繰り返す我が国の「反エコ的な街づくり」とそんな靴箱のような家を購入せざるを得ない中間層のレジャー意識とを考えたとき、水耕栽培のような手軽に出来る「インドア・ガーデニング」は新たな「進化」を園芸界にもたらす可能性がある。
つまり、全く新しい園芸愛好家の層が形成されるかもしれない、ということ。
今のところ「水耕栽培」を専門にしたブログはそれほど多くはないが、水耕栽培のインテリアや雑貨との親和性の高さ、女性のニーズなどを考えれば、十年後にはブログランキングの「園芸・ガーデニング」カテゴリの8割が「水耕栽培」関連なんてことだって充分考えられる。そのくらいの可能性を秘めていると僕は思う。
多肉植物がそうであったように。
多肉植物なんてちょっと前までは歯牙にもかけられないジャンルだった。「タニク」なんて、せいぜい変わり者の変わった趣味くらいの扱いで、バラや宿根草をメインとした、広い庭を持った正統派ガーデナーたちから「この家、タニクしかないんでござんすの?おーほっほっほ」と鼻で笑われていたに違いないのだ。(その時代知らないから全部推測)
それがどうだ。「タニク」は今や園芸界では無視できないひとつの大きな「島」になっている。おそらく僕のような、自宅の庭でガーデニングを楽しむ普通のガーデナーの数と、多肉愛好家の数はそう変わらなくなっているのではなかろうか。
水耕ガーデナー、インドアガーデナー・・・呼び名は何でもいいが、そういうライトガーデナー(ファッション感覚の、軽い気持ちのカーデナー)が今後どんどん園芸界(園芸ブログ)に参入してきて、蝶々を追っ払いながら土で野菜作ってる僕のようなガーデナーを横目に、「水だけでナス100個出来たお!」とか「水耕オクラ食べきれません~!」とかいった記事をアップするようになるかもしれない。
そうならない為にも、今のうちにやっとく。
(長い前書きでゴメンナサイ)

冒頭の本を参考に、サニーレタスを水耕栽培する。

ボックスアイスの箱で。(アルミホイルを巻いているのは日光が水に当たって内側にコケが生えないようにするため)

まずフタに10円玉で「植え穴」の位置をしるし、

カッターでくり抜く。

皿洗い用のスポンジに切れ込みを入れて小さくカットして、クッションにする。

外の水道である程度土を落とし、最後に台所の水道で土を落としきる。土がついていると雑菌が繁殖して良くない。
こんな感じで本葉が出ていた場所より少し下にスポンジを当てて、
植え穴に挿し込む。

このあと溶液を容器に注ぎ込むのだが、教科書どおりにやるのなら上述した㈱協和の「ハイポニカ」を使うところだが、「ハイポニカ」はネットでしか買えないとかで、うちは市販でも買える代用品「微粉ハイポネックス」を使った。(「ハイポニカ」を買えない人はこっちでもOKと本に書いてあった)
 
万田酵素でもイケんじゃねえの?てか普通の液肥でいいんじゃねえの?と思ったが、水耕栽培ビギナーなのでお利巧さんモードで。
この「微粉ハイポネクス」、リン酸なんかよりカリ分がずっと多く、根っこを強くし、植物を丈夫にする肥料。

予め容器の隅をこんな風に「口」にしておくと養液を入れやすい。奥さんのアイデア。(いちいちフタを開けなくて良い)

説明書どおりに希釈して、注ぎ込む。空気の溜まる空間を残しておく必要があるので満タンは入れない。3分の2か4分の3が目安。

本当は、熱帯魚や金魚の飼育に使うエアーポンプで空気を入れたほうが生育が旺盛らしいのだが、なくてもまあ育つらしいので今回はコレで。
そうそう、ポンプやLEDを使うなら、近くに電源が必要だ。
それがネックといえばネックかな。
完成~。夕食の後のナイト・ガーデニングだった。

部屋の中で野菜を「植栽」したのは初めてだ。。
外での植栽とはちょっと違うけど、楽しさは同じだった。
これが上手く行けば、次からはもうちょっとカワイイ容器で作りたいね・・・。

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2015.09.29 | | 園芸コラム

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