不毛地帯にランタナを植える。

奥さんが「不毛地帯」と呼ぶ場所がある。通路の一番上、門扉を出てすぐ左側のスペースである。

なぜ「不毛地帯」かというと、何を植えても根付かないからだ。除草剤でも撒いたみたいに何も満足に育たない。雑草以外は。
奥さん肝いりのクレマチスもタイムも、「成長を楽しむ」というより「小さくなっていくのを見続ける」という感じである。

強健で有名なタイムでさえこのザマ。

土中に配水管が走っているのと、この場所が坂の頂上というのも影響しているかもしれない。雨が降ってもここはすぐ乾く。水が下に流れて、溜まらないからだ。反対に通路の下のほうは雨後丸1日は湿っている。日当たりも良すぎるのかもしれない。
それでも「このクレマチス、一応生きてるからね!」と、僕に抜かれないよう念を押す奥さんはこの場所を諦めていないようで・・・
とうとう「最終兵器」投入を決意した。
ランタナである。

何も根付かないのならいっそ何も植えなきゃいいのだが、困難と聞くと余計やりたくなるのがうちの奥さんである。
ところでなぜランタナが「最終兵器」かと言うと、以前、「おばけランタナ」と格闘した経験があるからである。
昔、2階建てアパートの1階に住んでいた。後ろ髪をゴムで括ってタバコふかしながらギターかき鳴らしていたニキビ面の頃だ。
築640年くらい経ってたと思うが、ご親切にそのアパートには専用庭がついていた。庭というか、洗濯物を干せるくらいの、ごく小さいスペースだったが。
ある年のある日、ふと外を見ると、何か植物が茂っているのに気付いた。どこから生えてきているのか知らないが、濃い緑の葉と、やけに鮮やかな、丸っこいピンクやオレンジの花がいかにも毒々しく見えて、気味悪かった。「ウルトラマン」に出てくるワケわかんない宇宙植物に見えた。
引っ越してきたときにはなかったのに。。
そのうち誰かが刈るだろう。
床の抜けかかった、勝手にビー玉が転がるような年季の入ったアパートの住人のために汗を流す大家がいると思っていた僕が甘かった。
誰も刈らなかったし、僕以外気にも留めていなかった。
その草はぐんぐん生長し、縁台に立つ僕とほぼ同じ背丈にまで伸びた。スティーヴン・キングの小説ならこのあとの展開は僕がその花に食われるか、奥さんが食われるか、大家が食われるかである。どっちにしても待っているのは「死」だ。そして生き残った誰かが花にガソリンをかけて焼き殺す。
園芸の「え」の字も知らず、花なんかにこれっぽっちも興味がなかったから、その毒々しい植物が一体何なのか調べようとも思わなかった。やたらデカイ雑草にしか思えなかった。こんなヤツに名前なんかあってたまるか!くらいに思っていた。
とにかく消し去ることだけを考えた。
真夏で、暑かったのは憶えている。
軍手をはめたか素手だったか、カマを使ったか、蚊取り線香を焚いていたか・・・よく憶えていない。大体、うちの庭から生えていたのか、隣の駐車場の隅っこから延びてうちの庭に侵入してきていたのかも憶えてない。
とにかくあれが恐怖に立ち向かう試練のような経験だったのは確かだ。
そう、あれは「大人になるための試練」のひとつだった。アパートの庭に生えた巨大ランタナを倒すことは。。。

「あなたがランタナを嫌っているのは知っているけど」と奥さんは言った。
「黄色のランナタだったらいいかなと思って。そんなに毒々しくないし」
「うむ」
それに強い。
調べたら「世界の侵略的外来種ワースト100」に選ばれており、環境省の「要注意外来種生物リスト」にも載っているそうだ。はっきり言ってヤバイ植物なんじゃねーのって感じだがそのタフさは折り紙つき。
ランタナでも育たなかったらこの場所は何を植えてもダメだと諦めがつく。
そういう実験的意義もある。
しかし、黄色いランナタは普通にカワイイかもしれない。色眼鏡を捨ててまず育ててみることだ。

奥さんがランタナを植えている間、僕は寄せ植えのサルビア(枯れてしまった)を一株抜いて、

デュランタを後釜に植えた。

株元が寂しかったのでマリゴとニチニチソウも付け足した。
さて、「テロリスト」並に暴れるというデュランタさん。「おばけランタナ」以上に僕を困らせることになるか?
不安でもあり楽しみでもある。

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2015.08.14 | | ガーデニング

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