反骨の園芸

午後、熊谷の顧客の所へ向かっている途中、鴻巣辺りで信号待ちをしていたら、車が縦に揺れ始めた。斜め前のトラックの荷台がガッシャガッシャ軋み、スマホから災害を報せる警報が響いた。信号が青に変わった頃には揺れは収まっていたが怖かった。でもここだけの話、遅刻必至だったので「地震もあって・・・ハハ」なんて遅れた言い訳に使っちゃった。ただ出るのが遅かっただけなのに。
とりあえず大きな事故やケガ人が出なくて良かった。

ところで、昨日、うちの奥さんの園芸哲学が「苗に(庭に)お金をかけないこと」だと豪語したら、当の奥さんからクレームが入った。「お金はかかっているわよ」と。
お金をかけているように見られるのは癪だが、実際、それなりにお金はかかっているはずだと奥さんは言う。
1年草は一個一個は安いように見えるが、例えば種を採取したり株分けで増やしている人、宿根草中心の人に比べたら、季節が変わるたびにパンジーやサルビアを撤去⇒大量購入⇒植え替えというウチのやり方は経済的とは言えないだろうと。安苗かもしれないが宿根草中心の庭より明らかに維持費・ランニングコストがかかっていると。しかもよく考えたら苗の買出しや植え替え作業などにもコスト、手間、時間がかかっている。
確かにそうかもしれない。
コスト面はオール宿根草の人にはかなわないし、株分けや種を採取して増やすやり方のほうが安上がりなのは言うまでもない。
よく、通路で足を止められた人などに「お金かかるでしょ~?」と言われる。(母にも言われた)、そのたびに「安苗だからそれほどでもない」と思ったり、実際にそう答えたりしてきたが、一般の人の感覚だと多分「35株買っても3000円行きませんから」と言われても、「それって安いの?」と思うかもしれない。花なんかに3000円もかけてるのと。
自分ではローコストの庭だと思っていたがそんなのは考え方による。
一株のポット苗とコインを見比べてコスパがどうのと考えることほど非園芸的なことはないからこの問題はこの辺にしておこう。
結局、僕と奥さんの間では①趣味なんだからお金がかかるのは仕方がない。②ザマスガーデンは嫌いだが私も一人だったらDIYなんかしてないからお金で買えるものは買っているだろう。③あなたは私のことを理解していない。
という結論に達した。

ひとつだけ言わせて欲しい。
ポット苗を大人買いするやり方は案外非効率的・非経済的かもしれないが、僕は気に入っている。手っ取り早いのが性に合っているのだ。
去年はパンジーを種から育てた。それこそポット苗じゃコスパが悪いと気付いたからだ。
種なら5袋も買えば数十株の苗が出来るはず♪と、安易な単純計算でトライしたが半分も発芽せず11月になり12月になり・・・、結局ポットのパンジーを大人買いした。うまく発芽したものも成長が遅く花が咲いたのは3月に入ってからだった。
うちの夏の庭はコリウスをたくさん使う。去年、「コリウス彩りミックス」という種を奥さんが買って播種した。発芽率もかなり悪かったが、さらに腹立たしかったのは、「彩りミックス」とか言いながら全部同じ色のコリウスだったことだ。
また、種をまくと、成否が分かるまで同じ植物の苗は買えない。種をまいているんだから買おうと思わない。しかし本当の成否が分かるまで3週間~1ヶ月はかかる。失敗した場合、もうその植物の時期は過ぎ、ポット苗が出回ってなかったりする。
もちろん種から育ててうまく行くものもたくさんあるが、「欲しい」「植えたい」と思ったときにすぐ植えられるポット苗は自分の性格とライフスタイルに合っているのだ。
また、僕が「安い苗で・・・」と言うとき、そこには「値段が安い苗」という意味のほかにもう一つ意味が込められている。
それは「身近な苗」ということ。
安くなくてもいい。
花苗なんて地域やお店によって値段はバラバラだ。サルビア一株100円というところもあれば30円というところもあるだろう。それはどうでもいい。大事なのは、思いついたとき「すぐ買えるか」「すぐ植えられるか」ということだ。
玄人の庭を見ていると「どこで買ったのそれ?」という植物がたくさん出てくる。だから玄人なのだろうけど、こっちは素人だからそんなのドヤ顔で紹介されても参考にならない。
料理番組でよく、一度聞いただけでは到底覚えられないヨーロッパ語の調味料を駆使して、涼しい顔でジコマンサラダ、ジコマンスープ、ジコマンムニエルを紹介する料理人がいるが、あれと同じで、ドーヴァー海峡をまたいだ先にある島国から取り寄せた草花の種じゃなければこのアプローチは出来ませんザマス、と言わんばかりのガーデナーが確かに存在する。そこまで極端でなくとも、名のあるガーデナーはまずホームセンターで買えるような安苗で「勝負」はしない。
日本のプロのガーデナーは、「園芸ヴァージン」の人たちに花壇作りの面白さ、庭の魅力を伝えることより、自分のテクニックをひけらかすこと、雑誌で使われる写真を選定することのほうに時間を割いているので、いつまで経ってもみんなヴァージンのまま、土の魅力を知らずに庭のない3階建てのギチギチハウスなんかを喜んで買おとうとする。最悪の場合庭を潰してソーラーパネルなどという俗悪なものを置こうとする。
僕はただの素人ガーデナーだが、そういう園芸ヴァージンの人たちに、もっと庭を身近に感じて欲しいと常々思っている。もっと花を暮らしの中に取り入れて欲しいし、もっと土を触って欲しい。
欲しい、とかそんな上から目線でなく、こんなテキトー人間の俺でも出来たんだから誰にでも出来ると信じている。

この通路だって別段日当たりも良くないし、土は砕石だらけだったし、左側はモッコウバラの花がらハンパねーし、右側は右側で土の下30センチのところに水道管走ってるから深く掘れねーし。蛇口遠くてホース届かねーし。
それでも花は咲く。根付く。(ダメな花もあるが、8割上手くいっている)
少しくらい日当たりが悪くても花は咲く、野菜は出来る、土質が悪くても緑は増やせる、そういうことを身を持って知ってしまったので、最初から投げている人を見るとすごくもったいないと思う。

1年草は案外お金がかかるかもしれないが、苗を買う楽しみもある。定期的に(というにはあまりにも頻繁に行き過ぎているが)園芸店を見て回るのはやっぱり楽しい。
もうコスパとか考えるのはやめよう。
楽しめるうちは、楽しもう。
今日は疲れたのでもう寝ますzzzzz。

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2015.05.26 | | 園芸コラム

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yuhei

Author:yuhei
築30年の借家でホームオフィスをしながら理想の庭づくり、理想のインテリアを探求する日々の記録。
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