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Author:yuhei
築30年の借家でホームオフィスをしながら理想の庭づくり、理想のインテリアを探求する日々の記録。
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野菜のビックリ教室
奥さんが興味深い本を図書館から借りてきた。タイトルを「野菜のビックリ教室」といい、野菜作りの常識を覆す本として結構話題になったものらしい。
DSC_0430v.jpg
初版が1986年だから大分前の本だ。手元にあるものは96年第23刷。10年で23刷とは、ロングセラーといっていいだろう。四隅をセロテープで補強され、長年さいたま市内のガーデナーに愛読されてきたことがわかる。

表紙をめくって、いきなりぶっ飛んだ。
本の扉に記されている著者のひとこと。
DSC_0430v__1_.jpg
ひょっとして、あなたは石灰を消毒薬みたいなつもりで施していないか?
野菜を作付けする前には必ず畑をまっ白にしないと気がすまないなんて馬鹿な考えは、この際捨ててしまおう。石灰を作付けする前に必ずまく人は、たいてい野菜に病気を出している。
そうすると、病気の消毒に、と思ってまた石灰をまっ白にまく。
年々アルカリ性になって、病原菌を住みやすくしている。」

以上。これが扉の一文。
一枚ページをめくると「まえがき」。これもスゴイ。

「野菜のでき方が狂っている。
自家用畑では、ハクサイの外葉が黄色くいじこけている。専業の野菜地帯では肥料と農薬漬けで何とかツジツマ合わせをしても、「ハクサイが暴落して肥料代にもならぬ」とぼやく。ぼやく前にいったい、肥料代と農薬代のコストを計算したことがあるのか。(中略)
自家用野菜のアマも、出荷用野菜のプロも、野菜のでき方が狂っている元凶は、畑の土が肥えすぎておかしくなっていることだということに気づかねばならない。(中略)
戦中から戦後にかけては肥料も何の資材もなかった。自給の堆肥と、わずかの配給の硫安・過石(過リンサン石灰)しかなかった。それでいて、いまのように苦労しないでいいものがつくれた。
いまは肥料も資材もあふれている。入れすぎてとれない。とれないからもっと入れろ、と指導される。指導されすぎるのである。
そしてプロ・アマをとわず、わるいマネをしている。」

著者は井原豊氏といって、昭和4年生まれの自動車教習所の教官兼業農家である。プロフィール欄には兵庫県太子町のご自宅の住所が番地までしっかり載っている。「文句があるなら言いに来い」と言わんばかりだ。
痛快な文章である。
物言いに迷いがなくおもねらず、馬鹿を馬鹿と、ダメなものはダメだと言い切る清々しさは、いかにも昭和一ケタらしい。「男たちの旅路」の鶴田浩二の園芸版のような人だ。こんな人が園芸界いたとは・・・どういう訳でこれを借りたのか知らないがこんな古い本を借りてきた奥さんに感謝。

同書は前半が肥料作り・土作りのコツや病虫害の防ぎ方などを紹介するコーナーで、後半が「野菜のビックリ教室」と題してトマト、ナス、キュウリ、カブ、スイカ、サツマイモなどなど、ポピュラーな野菜の上手な作り方を伝授する2部構成である。
どの章も目からウロコの洪水。応酬。往復ビンタ。鬼コーチのサーブ練習。
「苦土石灰はやめて過リンサン石灰を入れろ!」「野菜苗は植えたら水をやるな!」「種は蒔いたら裸足で踏んづけろ!」「トマトは寝かせて植えろ!」「畝はフワフワに耕すな!」「牛糞より鶏ふんを使え!」「馬鹿野郎!チッソなんか入れるからアブラムシが寄ってくるんだ!」
すごい球がバシバシ飛んでくる。
僕も石灰は消毒のため、というより、雨で酸性に傾いた土壌をアルカリ性に中和させるために使っていた。そしてそれは野菜作りでは当然のことだと思っていた。そのほうがいい野菜が出来ると思っていた。だってどの本読んにもそう書いてあるんだもん。「苦土石灰を施し、二週間馴染ませてから元肥を施しましょう」って。
一回そうしてから、いわば儀式のようなものとして漫然とその手順に従っていた。
しかし井原氏によれば全部デタラメ。
井原氏は一見マッチョな精神論者のように見えて、非常に論理的である。石灰を入れない理由も、「俺の経験上」ではなく、科学的根拠を用いて説明する。だから聞き流せない。
「苦土石灰をやめろ」と言われてホームセンターを歩くと、「苦土石灰」の隣に「過リンサン石灰」って、ちゃんと置いてあるのね。いかに今まで近視眼的に「苦土石灰」「苦土石灰」という頭になっていたかわかる。

まあ、書かれたのも昭和だし、「甘いトマトなんてトマトじゃない」と豪語する人だから、時代的なギャップはあるだろうが、今年は騙されたと思って徹底的に「井原流」で家庭菜園をしてみたいと思っている。
なんでもやってみなければ分からない。失敗しても笑い話くらいにはなる。
多分もう書店では買えないと思うので、皆さんも地元の図書館などで探してみては?


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家庭菜園 | 22:44:42