左翼でもリベラルでもない民主党

民主党の前原政調会長が、国交省・関東地方整備局の下した八ッ場ダム建設容認の結果に対し「極めて不愉快」と、怒りをあらわにした。国交省の試算によると、建設を中止するより完成させた方が1000億円もお金が浮くという。だから作りたければ作って構わんということなのだが、これは建設中止を掲げた民主党マニフェストに対する正面切っての反抗・反論を意味するとともに、中止を宣言した前原氏の顔に泥を塗る行為でもある。
で、面子を潰された前原氏は、「前大臣の自分になんの相談もなく勝手なことを決めるな!!」と、怒ったわけである。「よくそんな男が廃るようなみみっちいことを記者の前で堂々と言えるもんだ」と、僕などは逆にその厚顔無恥に感心してしまったのだが、これが民主党の政治家の本性である。
「ちゃんとやれ」でクビになった松本龍前復興大臣といい、福島第一原発に取材に行った青山繁晴氏を恫喝した平野達男現復興大臣といい、宮城県の村井知事に対し「立派なことは言うけど泥は被らない」とのたまった「ちびっこギャング」こと安住財務大臣といい、自身が大のタバコ嫌いというだけでタバコの価格を700円にまで値上げすると言った小宮山厚労大臣といい、一枚皮を剥がすと権力を盾に横暴を振るう無法者の顔が現れる。
その証拠に、この「ダム建設容認」の調査結果が出されるや、さっそく政府は「八ッ場ダムの建設是非は国交省の検査に基づいて国交大臣が判断する」という前言を翻し、「政府・民主三役会議で最終決定する可能性もある」などと言いだし始めた。ちなみに、この会議には前原氏も参加している。最終決定がどうなるかは火を見るより明らかであろう。
要するに、うまく行かないなら政府で勝手に決めてやろうということだが、これを横暴と言わずに何というのか。自分たちのしたいようにするためにならいくらでも掌を返す。信義もへったくれもありゃしない。石原都知事が激怒するのも当たり前である。

こういう人種を現代でも「左翼」とか「リベラリスト」というのなら、もうその言葉は本来の意味を成さなくなっている。少なくとも今の民主党には当てはまらなくなっている。なぜなら、左翼は反権力、リベラリストは反保守とすると、左派政党である民主党のやっていることはその言葉の意味するものとは正反対のこと、つまり権力的で保守的なことばかりだからである。
僕は左翼やリベラリストというのは反戦平和で、経済成長よりも福祉、数の原理よりも政策、バラマキよりシステムの再構築、中央集権より地方分権、強者より弱者の救済に重きを置く人たちだと思っていた。そしてこれは多分僕に限ったことではなく、「左翼とはそういう人たちだ」という一般的な認識があったはずである。保守である自民党が経済優先で弱者を切り捨てる面があるのなら、そういう人たちも一つの受け皿というかバックアップとして必要だ、というような一定の理解が。

しかしリベラル政党であるはずの民主党の政治を見る限り、上のような左翼のイメージからはほど遠い。民主党が行う福祉といえばバラマキであり、復興に関する法案は野党である自民党に頼り、自分たちは数の原理そのままの幼稚な政局に右往左往し、弱者救済どころか労働組合や日教組といった支持母体にはいくらでも媚びを売るが、今最も救済を必要としている被災者は冷遇する。
そして極めつけは復興財源確保という名目での増税、果ては言論の自由を規制する人権侵害救済法案・・・。
少なくともここまで国民を蹂躙・圧迫しなかったというだけでも、自民党の方がずっとリベラルだったと言える。
民主党はもはや、保守でも革新でもリベラルでも左翼でもない、異形の集団と化している。

 

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2011.09.18 | | 政治

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