腐葉土の基準値、400ベクレル

高濃度の放射線セシウムを含む腐葉土が流通していた問題を受け、農水省は1日、堆肥、腐葉土の基準値を1㎏当たり400ベクレルとすると発表した。
記事はコチラ(毎日新聞)

記事によれば、肥料(家畜排泄物やわら、落ち葉など)のほか、砂、土壌改良材、苗を育てる培土など土に施されるもの全般にこの基準値が適用されるそうだ。これによって25日に出されていた東日本17県産の肥料の出荷・使用自粛指示は解除され、再び店頭に腐葉土や肥料が並ぶことになる。
「さっさと基準値を出せ!」と言い続けてきた僕からすると、基準値が出たこと自体は朗報なのだが、だからといって「めでたしめでたし」とは行かない。

 

どこまでもなめられるネ論(ネット世論)

 

ちなみに農林水産省・農産安全管理科の担当者は栃木産の汚染腐葉土が流通していたことについて、 
「対策が間に合わず残念だ」
とコメント。「申し訳ない」ではない、「残念だ」である。まるでヒトゴト。それとも「自分は事前に対策をしようと努力したが大臣がアホ、官邸がアホ、首相がアホすぎてどうにもならなかった」とでも言いたいのだろうか。たとえそうだったとしても、「残念だ」で済まされることではない。この一月半もの間、どれだけ全国の畜産家、製造業者、販売店、そして園芸愛好家たちが気を揉んだと思っているのか。そもそも、あなたたちは対策などしていなかったではないか。

百歩譲って、確かに大手マスコミで汚染腐葉土が取上げられたのは先月の25日だから、そこから数えれば一週間で基準値を出したことになり、「早い対応」と言えなくもない。特に25日以降のニュースではじめてこの問題を知った人はそう思うだろう。
しかしネットの中ではそれよりずっと前から不安の声が上がっていたのだ。もっと言えば、原発事故が起こった直後からこうなることは子供でも予想できたわけで(子供ごめん)、そう考えると「対策が遅れた」なんてレベルではないし、ましてや「残念だ」で済む話では毛頭ない。ネット世論(面倒なので略してネ論と呼ぶ)を軽視する傾向はホームセンターにもあったが、僕の知人がこのブログを読んでこう言っていた。「腐葉土の問題でネットで騒いでるのって大半が本当に園芸やってる人なんでしょ?その人たちってホームセンターとかにとっちゃ大切な『お客様』なんじゃないの」と。
僕もそう思う。この汚染腐葉土に限って言えば、「ネ論」を作っているのはいわゆる「不安厨」と呼ばれるような人たちではなく、日常的にホームセンターに行き、そしてこれからも(明日にでも)腐葉土を買おうとしている園芸愛好家たちである。僕の知人が言うように、これらのネ論を、そしてネ論を形成するネットユーザーを軽視することは、この場合、そのまま消費者を軽視することにつながる。
たとえばアイリスオーヤマ。汚染腐葉土を測定した動画の中でこの会社が販売している「ゴールデン粒状培養土」からも放射線が測定されていて、一部の園芸愛好家から不安の声が上がっている。このブログにも「アイリス ゴールデン粒状 汚染」といったキーワードでやってきている人が少なくない。
実際、この「ゴールデン~」が汚染されているのかそうでないかは分からない。当のアイリスオーヤマがいつまで経ってもホームページにコメントひとつ出さないからだ。そしてそのことがさらなる不安を呼んでいるのは間違いない。(園芸コラムや園芸に関するQ&Aは豊富すぎるほど掲載されているが、放射能汚染に関する質問やコラムは皆無)

 

「たかがネットだから」、「ネットの中で騒いでるだけだろ」とネ論を軽視していられる時代はとっくの昔に過ぎた。実際、どのメディアより早く汚染腐葉土の問題が注目を浴びたのはネットである。そういう意味で、週刊現代のたった1ページの記事にビビッてその日のうちにコメントを発表したホームセンター各社にはがっかりした。お前らの「お客様」は週刊現代の記者なのか??そうではないだろう。本当の「お客様」は、いまネットの中にいる。僕たちはもう「サイレントマジョリティー」などではないのである。

 

※ちなみに飲料水の成人の基準値がヨウ素131=300ベクレル、セシウム137=200ベクレル。腐葉土400ベクレル/㎏というのが高いのか低いのか、申し訳ないが僕には分からない。そもそもこの水道水の基準値自体がいい加減なので、比較してもあまり意味はないかも知れない。(水道水の原発事故以前の基準値はヨウ素、セシウムともにたったの10ベクレルだったが、震災後30倍に引き上げたからだ)


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2011.08.03 | | 放射能・汚染腐葉土

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