市販の腐葉土から高濃度の放射線が測定された、という趣旨の動画がユーチューブにアップされたのが6月24日。僕がこの動画を見たのは7月17日。衝撃的だったのでその日にブログで紹介したが、その後大メディアの報道に上る気配はなく、やれやれと思っていたら25日には毎日が、そしてこの問題を扱った「週刊現代」が同日に発売され、そして翌日にはもうNHKが夕方のニュースで報道していた。するとそれまで公式のコメントを控えていたケーヨーD2のホームページにもこのような文書が。(25日公表)
本日、週刊誌内で、一部のホームセンターにおいて、「汚染腐葉土」が販売されていると認識される報道がございました。お客様にはご心配をお掛けしますが、現状政府による放射能により汚染された腐葉土に対する安全基準が不明確な中で、弊社では、農林水産省および原子力安全委員会など公的機関が示した放射性物質に関する指標等を参考に、いずれもその指標を下回る値の商品を仕入れ販売を行っております。
なお、お客様へご心配、ご不安をお掛けしないために、念のため腐葉土全品(国産)を売り場から撤去しました。また、原産地を海外へ変更する手続きをすすめております。
後手後手対応の民主党政権への批判がちらりと覗く文面は良しとするが、ひとつ言いたいのは、ネットの中でどれだけ騒ごうと、動画を見て不安を覚えた消費者がどれだけ質問しようと変わらなかったものが、週刊誌がたった1ページ記事を書いただけで動く。メディアの力とはこういうものかと改めて思い知らされた。
当然のことながらホームセンターからは腐葉土が消えた。(これはD2ではありません)
秋田県内の店舗で汚染腐葉土を売っていたコメリでは。。。
誤解の無いように言っておくと、僕は好きこのんでこの問題を記事にしているのではない。もしかしたら「こいつは企業の怠慢をつついて喜んでいるのだ、暇な奴め・・・」と思う人もいるかもしれないが、全く逆である。まず第一に、園芸愛好家にとってホームセンターとは「癒しの空間」であり、刺激とアイデアをくれるテーマパークみたいなものだ。その「癒しの空間」が困った状況に追い込まれているのを見て愉快なわけがない。むしろ悲しみで一杯だ。特にコメリは店内BGMが「神」なので、ホームセンターの中で最も気に入っていた。(家の近くにはないのでわざわざ車で一時間かけて隣の市まで行っていたのだ!)
第二に、「週刊現代」の言うように、全ての責任は国・行政にある。確かにネット世論を軽視する企業の体質には怒りが湧くが、汚染されていると知っていながら売っていたわけではないし、ホームセンターの中には客の指摘を受けて既に自主的に腐葉土を引っ込めていた店もある。原発事故は東電の責任だが、その後の対処によって生じた混乱の責任は民主党政府にある。彼らが正しい情報(特にSPEEDI)を素早く開示し、国民に説明し、今後予想されるであろう事態に対して適切な処置を講じていればこのような事態にはならなかった。そう考えればホームセンターならびに製造業者はいわば民主党政権の無策・不作為によって損害を受けた被害者である。
そうは言っても汚染された腐葉土は元には戻らず、僕たちガーデナーの怒りや不安が払拭されるわけではない。腐葉土がなければ花が咲かない、というわけではないが、腐葉土というのは料理で言うところの「ダシ」みたいなもので、美味しい料理を作るのにダシが必要不可欠なのと同じで、元気な花を咲かせるためにはどうしても必要な「材料」なのだ。
言っても無駄だろうが、民主党政府はいつまでも「トウデンガー」「ジミンガー」「ジチタイガー」と駄々っ子みたいなグズを言ってないで、「損害とか賠償とか全部国が責任もつからさっさと対処しろ!」と自治体に指示を出せ!そうすれば1ポイントくらいは支持率もアップするだろう。いや、もうアップしなくていいけど・・・・。
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