反原発派が太陽光と風力を推進する理由

15日、管総理は市民団体等が主催する「エネシフ」という勉強会に顔を出し、そこでこの団体が求める「再生可能エネルギー促進法」の可決に、己の出処進退を賭けて臨む旨を明らかにした。
動画を見れば分かると思うが、この「エネシフ」の集会には孫正義や宮台真司をはじめ、歌手の加藤登紀子ら著名人が多数参加している。彼らが求める「再生可能エネルギー促進法」(正式には電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達にカンする特別措置法案)
とは、電力会社以外の事業者や一般の市民が太陽光や風力発電を使って興した電力を、電力会社が一定期間決まった金額で買い取ることや、電力会社が他の事業者や個人に対し送電線を解放することなどを義務づけた法律である。要するに、太陽光発電の促進と、電力の自由化を促す法案だ。

で、この法案をカン様に通して頂くために、彼らは歯の浮きそうな美辞麗句を並べ立てて権力者に媚びを売っているわけである。動画のコメント欄にもあるように、その様はもはやカルト教団の集会か、専制君主の足下にひれ伏してつま先に接吻する宦官の群れにしか見えない。
狂ったファシストを延命させ、その結果復興が遅れようと電気代が値上がりしようと増税しようと企業が倒産しようと酪農家が首吊って自殺しようと知ったことじゃない。とにかく脱原発、脱原発、脱原発・・・。そんな、市民感覚から完全に逸脱した「市民団体」のたくましい勉強会なのであった。


それにしても、どうして<脱原発派>の人たちはそこまで太陽光発電と風力にこだわるのか。ほとんど「太陽光・風力至上主義」と言ってもいいくらいである。石油や原発に代わる代替エネルギーには、地熱をはじめ、バイオマスやシェールガス、メタンハイドレート、オーランチオキトリウムなど注目すべき資源があるにもかかわらず、彼らはそれらは無視して、なぜか発電量の乏しい太陽光と風力をやたらと強調する。これは孫正義やそれに連なる運動家だけに限らず、新聞・テレビも全く同じ路線で、まるで代替エネルギーは太陽光と風力しか存在しないかのような暴論がまかり通りっている。朝日新聞など「風力なら原発40基分の発電可能 環境省試算」などという、子供でも首をかしげるであろう「大嘘」を平気で報じる始末。しかしそれらのエネルギーが内包するリスクについては、掲げるときほど大きな声では報道しない。

そもそも、原発反対なら原発以外のエネルギーであればいいはずである。さらに言えば多少のCO2は出ても、放射能漏れ汚染や被爆の危険性さえなければいいわけだ。
宮台真司の「ビデオニュースドットコム」でお馴染みの、京都大学原子炉実験所の小出裕明助教授も「私は総務省統計局のデータをもとに試算したことがありますが、たとえ原発がなくとも、火力と水力だけでピーク時であっても電力供給は完璧に出来る」、「生命体にとって一番怖いのは放射能。
CO2だけを悪者にして、それを出さないから原発はエコだとかクリーンだとかいう宣伝はもう止めるべきです」(週刊現代6/4号)と言っている。
僕もそう思う。なにも太陽光や風力に限定する必要はないのである。それでもメディアや<反原発>の運動家たちは今日も<お日様>と<風車>を両手に持って走り回っている。


一体全体、彼らは太陽光や風力以外のエネルギーの何がそんなにイヤなのか?特に地熱やメタンハイドレートなどのいわゆる「純国産の新エネルギー」が、(関西の)一部の放送局を除いて議論の対象にさえならないのは何故なのか???
僕は岩手の松川地熱発電所に行って、地熱の可能性を感じた。発電量では今のところ太陽光に劣るかも知れないが、エネルギーとして、ソーラーパネルなんぞよりずっと頼もしさを感じた。設置費用にいくら掛かるだの、経年劣化だの、夜間や梅雨のときはどうするだの、屋根が重みで痛むだの、そんな一般市民に金と不安と労苦をかけさせる気遣いもない。ソーラーも一つの選択肢としては認めるが、結論ありきで話を進められると「ちょっと待て」と言いたくなる。これは僕だけに限ったことではないだろう。


思うに、彼ら<反原発>を掲げる人たちが地熱や海底資源を黙殺するのは、それらが国威発揚と直結しているからではないか。長いあいだ、我々日本人はこの国には資源らしい資源はないと思ってきた。アメリカと戦争したのも資源がなかったからだし、原発をガンガン作ってしまったのも、どこ探しても資源なんかないと思っていたからである。しかし、技術の発達でその常識が覆った。資源はあったのだ。別名「燃える氷」と呼ばれるメタンハイドレートは日本近海にかなりの埋蔵量が眠っていることが明らかになり、オーランチオキトリウムに至ってはまだおとぎ話の域を出ないとしても、実用化さえうまくゆけば日本が「産油国」になる可能性まで秘めているという。地熱はすでに温泉街のホテルなどで実用化されており、しかも福島第一原発よりずっと早くから稼働していたのに原発にシェアを奪われ、開発の必要性がなくなっていたため、まだ本気を出していない。

 

じゃあ、いけるかも・・・??

 

誰だってそう思う。すると、なんか急に背が伸びたような気分にならないだろうか。波を二つに割って海中から頭をのぞかせる宇宙戦艦ヤマトを見るような誇らしい気分にならないだろうか。僕はなるのだが、それは恐らく、愛国心をくすぐられるからだ。これら純国産の海底資源や地下資源には、夢がある。ロマンがある。そして、可能性がある。その可能性は、我々に、アジアの中での日本の地位回復と国力の向上という壮大なビジョンを抱かせる。分かりやすく言うと、これらの海底・地底エネルギーには「純国産」の文字が彫り込まれ、日の丸がプリントされているのである。

これが、<反原発>のリベラリストたちには気に入らないのだ。おまけに、必然と言えば必然なのだが、これら国産エネルギーの推奨者がことごとく保守派ときているのも彼らの反日アレルギーを増幅させる。メタンハイドレートの研究者は、かの青山繁春氏の奥方、青山千春さんだし、オーランチオキトリウムなんて・・・・・。「たかじんのそこまで言って委員会」を観ている人にはお分かりだろう。こんな人たちがプッシュしているエネルギーだと聞いただけで左寄りの人々は納豆を鼻先に突き出された外人みたいに顔をしかめることだろう。

それになにより、これが一番重要なことなのだが、自国に資源が豊富にあると知った国民はどうなるだろう?領土に対する意識が高まり、国防意識が高まり、中国に対してこれまで以上に厳しい態度で臨むようになるだろう。当然だ。せっかく掘り当てた財産をかすめ取られてしまうかも知れないのだから。資源があるということは他国に狙われるということであり、他国に狙われるということは、戦争の可能性が高まるということである。つまり、資源が戦争を生む。これは歴史である。つまり、もし平和を望むなら、資源なんかない方がいい、ということになり、日本という国を平和に保つには、「資源なんかありません」と、国民はもちろん外国にも思わせておく必要がある。

しかし太陽光や風力なら、そんな気遣いはない。世界中どこにでも存在するエネルギーであり、いかにもグローバルな、「世界市民」的な気分にも浸れ、紛争の原因になることもない。非常に「平和」なエネルギーなのだ。サヨク知識人やマスゴミが、純国産エネルギーを完全黙殺するのも、これで頷けるだろう。要するに彼らは恐れているのである。さらなる右傾化を。


ただし、どんな事業にも「利権」は必ず生まれる。国策として推し進めるのなら尚更だ。民主党が平和主義的ではあっても「クリーン」とはほど遠いように、太陽光や風力も平和主義的かしらないが、「クリーン」であるとは限らない。誰かが得をし、誰かが損をする。誰かが利権を牛耳り、誰かが不自由を感じる。孫正義は100億円の義援金を送って徳を積んだが、それがこれから始まるどす黒い利権争いの最初の「一手」でなかったとは誰にも言い切れない。



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2011.06.20 | | 時事問題

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