ユーフォルビアにまつわる長い話

個人的にとても嬉しい出来事があった。ユーフォルビアが芽吹いたのだ。

なぜこれがそんなに嬉しいのかというと・・・・
・・・長い話・・・
去年の6月に、僕は奥さんとともに岩手にある松川地熱発電所というところに行ったのだが、(→コチラ)このユーフォルビアは、その前の晩に泊ったペンションのおかみさんが分けてくれた物なのだ。
ペンションにはロックガーデン風の庭があり、無造作に置かれた岩の隙間から色々な草や花が顔を出していた。その中に、まるでビーズを散りばめたように点々と、場所によっては群がって咲いている黄色い花があった。
ペンションのおかみさんに何の花か訊ねると、「ユーフォルビア」という。ユーフォルビアなら知っていたが、自分の家に植わっているものと形が全然違う。僕の家のユーフォルビアはパラボナアンテナみたいな花(?)がぐるりと外に向かって無数についており、草丈は30センチほどあり、茎も太い。ところがそのペンションのユーフォルビアは茎は細く、花の色も鮮やかで、葉はどことなくローズマリーに似ていた。
その依るべなさそうな立ち姿がいかにも可憐で、美しかった。夫婦そろって綺麗だ綺麗だと騒いでいたら、おかみさんが「今日、埼玉に帰るんだったっけ?」と訊いてきた。「ええ、地熱に寄ったら、帰ります」と言ったら、「ちょっと待ってなさいな」と言い残して建物の中へ消えた。そしてスコップとビニール袋を手に戻ってきた。何が始まるのかと思ったら、おもむろにユーフォルビアの株元にスコップを入れて、抜いた株をビニールに入れた。
「持って帰ってよ」とおかみさんは言った。
結局3、4株分けてもらっただろうか。その作業をしながら、おかみさんはペンション経営の難しさや、庭づくりの苦労などを話してくれた。それから自分は原発に反対だからソーラーパネルをつけるつもりだとも。震災からまだ3カ月しか経っていない被災地の山奥にやってくる客は僕たちだけらしく、別荘やペンションが立ち並ぶ通りは静まり返っていた。

 

後で調べたら僕の家のユーフォルビアは「マーチニ」もしくは「マルティニ」という種類で、おかみさんがくれた方は「キパリッシアス」という種類であることが分かった。
しかし後日、実際に自宅の庭に植えてみて思った。湿度の低い、冷涼な土地だから元気に根付いていたけど、いきなりこんなじめじめした、低い空の、しかもしょっちゅう「光化学スモッグ注意報」が発令されるさいたまなんかに連れてこられて、ちゃんと育つだろうか・・・・。
その不安は的中した。せっかくもらった苗も夏が終わる頃にはすっかり枯れてしまい、悪いことをしたと心の中でおかみさんに謝るはめになってしまった。枯らしてしまった苗をいつまでも植えておくのも心が痛むので、何株かは僕が(耐え切れず)ひっこ抜いて捨ててしまった。そしたらうちの奥さんの抗議を受けたので、途中で思いとどまった。
そんな過酷な移住に耐え、僕の魔の手からも逃れられた株が、この株なのだ。岩手から来たユーフォルビアの、唯一の生き残りである。これでおかみさんにも申し訳が立つ。
こいつだけは立派な株にしてやろう。そして株分けするか種を採取するかして、うちの庭もあのペンションみたいにキパリッシアスがたくさん咲く庭にしてみせよう。

と、心に誓った今日の朝。

僕の喜び、少しは伝わったでしょうか・・・。



クリックしてもらえると励みになります!
banner (11)

出来たらこっちもお願いします・・・。
にほんブログ村 花ブログ 自己流ガーデニングへ
にほんブログ村

関連記事

2012.03.30 | | 園芸コラム

«  | ホーム |  »

プロフィール

yuhei

Author:yuhei
築30年の借家でホームオフィスをしながら理想の庭づくり、理想のインテリアを探求する日々の記録。
「一般教養としてのロック史」管理人。興味のある方は覗いてみてください。ネットショップも地味に
コメ欄クローズ中ですので、現在お声はメールでお願いしております。
⇒ mail@brightside82.com

カレンダー

07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

最新コメント

最新トラックバック

検索フォーム