橋下氏と原発再稼働

原発再稼働の問題がにわかにクローズアップされている。大阪府市の「エネルギー戦略会議」が、6月に行われる関電の株主総会で、関電が所有する11基の原発全てを廃止するよう求めることに決めたからである。
こう書くと地味なニュースに聞こえるかもしれないが、関電の筆頭株主である大阪市(=橋下市長)による株主提案という形で提出されるとなれば、聞こえ方も大分違ってくるだろう。誰だって「橋下氏が原発を全廃させようとしている」と思う。だからニュースになる。
しかし、「全廃」はあくまで人目を引くためのネオンサインにすぎない。と、僕は思う。橋下氏は脱原発主義者でもなければ、脱原発依存社会を志すエコロジストでもないからだ。
彼は国が管政権時代にぶちあげた「脱原発」の旗を降ろし、さりげなく「原発再稼働」への道を模索し始めたのを見て、先手を打ったにすぎない。右手で関電に全廃を突きつけて市民・府民に「安易な再稼働は許さない橋下」を印象付けつつ、左手で再稼働後にもっとも安全な位置になるであろう地点へ向かってパラシュートの手綱をくいくいと操る。そして非常に綺麗に着地する。それが橋下氏の狙いだろう。つまり、すべては「再稼働ありき」の話なのである。再稼働はしてもいい、でも俺を差し置いてはやるな。うがった見方かもしれないが、僕にはそう思えてならない。

こう考えると、これはワイドショーが面白可笑しく報じるような、「橋下(善)VS関電(悪)」という構図でもなければ、全廃か、再稼働かといったオール・オア・ナッシング的議論でもないだろう。橋下氏としてはその構図(善悪二元論)の方が都合がよかろうが、そんな橋下戦法に便乗したニュースばかり聴かされている国民は額面通り受け止めて「関西では原発は全廃されるんだ」と勘違いしかねない。現実はその逆なのに。僕の感触だと、近い将来大半の原発が少しずつ再稼働されることがほぼ確実になったから、いまこそ「脱原発」を声高に主張する時と彼は踏んだのだ。いざ再稼働することになっても国民の理解を得られるように。つまり、橋下氏はただ単に先を見越して自分の立ち位置を作っているにすぎないのである。

 

橋下氏の言動を観ていると、横スクロールのアクションゲームに熱中するゲーマーの姿が頭に浮かぶ時がある。「マリオ」でも「ロックマン」でも何でもいいのだが、飛んだり跳ねたりしながら敵をよけ、雲に乗り、ステージをクリアしてゆく。しかし全面クリアしたらどうなるかと言えば、また最初に戻って同じことを繰り返すのである。それでも飽きずに、またクリアする。それが楽しくてしょうがないゲーマーの姿・・・。
国政に立候補して首相にでもなればいいのに・・・と思ったこともあるが、やっぱり地方政治がこの人に最も合ったスケールなのかもしれない。ゲーム感覚で国の舵を握ってもらっては困る、というよりも、地方政治だからこそ橋下氏は橋下氏でいられると思うからである。

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2012.03.21 | | 政治

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