海に戻る。

若者の海離れが進んでいるそうだ。
「レジャー白書」によると、平成19年には2040万人いた海水浴人口が、平成27年には760万人にまで減少している。たった10年で「海行きたい」と思う人が半分以下にまで減った計算だ。
海水浴場もここ10年で10箇所も閉鎖されている。
いまの10代の若者にアンケートをとっても、42.5%が「海に親しみを感じない」と答えている。
ちなみに50~60代では「海にとても親しみを感じる」が40%。
明らかなジェネレーションギャップが見て取れる。

しかしこれは現代の若者が「海を嫌いになった」ということではないと僕は思う。
僕自身は海の近くで生まれ育ったので、山よりは海のほうが親しみを感じるが、親しみを感じてはいても10~20代の頃は「海水浴なんか誰が行くか」とずっと思っていた。
夏に勢い込んで海に行くなんてのはチャラついたウェイウェイ族か筋肉見せたがりのモテないナルシストのすることで、股間と脳みそが逆についているような連中と一緒になってゴミだらけの砂浜で、にごった海水に浸かるなんて真っ平ゴメンだと思っていた。
また子供の頃の記憶から、海水浴の「面倒くささ」もよく知っていた。
浮き輪だの空気入れだのパラソルだの重たい荷物を持って、田舎地主が臨時で営業している一日数百円の私営駐車場に車を停め、そこから歩いて浜に出て、場所取りをしてシートを広げて・・・・泳ぐ前にもう疲れている。
海の家は海の家で、「安心」とか「安全」とか「清潔感」といった言葉を知らない人間が経営しているのでどこも汚く、設備は古く、そのくせボッタクリ一歩手前の料金だったりして、帰りの車中、母親がブーブー文句を言っていたのを今でも覚えている。
これらの負のイメージ、負の記憶が合わさって、長いこと僕を海から遠ざけていたのだった。
今の10代の子たちの中にも、似たり寄ったりの経験から海水浴を忌避するようになった人も多いのではないかと思う。
要するに海そのものが嫌いなのではなく、海に付随する諸々のイメージや面倒、経験則から、「海なんかヤダ」と思うようになっていった人も多いのではないかということだ。
また、海に行きたくない理由としてよく耳にするのが「日に焼けたくない」というものだが、これは詭弁であろう。
なぜならそんな美白妄信女子でもバリ島には行きたがるからである。
タヒチやモルディブに行きたがる。
行くとなったら数ヶ月前からシェイプアップして脱毛をし、ビキニを新調し、100%太陽に自分をささげようとするだろう。
だから正しく言えば、若者の海離れは、「日本の夏の海離れ」なのである。ステータスになるような海外の有名ビーチならいい。
そう言うわけで、個人的にはそんな「日本の海はNO」の原因を作ったのは、やっぱり「古くて汚ったない海の家」なのかなと思ってしまう。
日本人の衛生観念はどんどん高くなって、今ではほとんど潔癖と言ってもいいほどだ。
そんな時代にあって、更衣室は狭くてボロボロ、シャワーは行列、トイレは地獄・・・そんな昭和40年代から何も変えていないような海の家を見て、子供たちがドン引きするのは想像に難くない。
男子ならまだしも、女子は完全にアウトだろう。「二度と来ない」と思うほうが自然である。
女子の来ない夏の海など男子にとって肉の乗っていない牛丼と同じ。
女に受けない海から先に、消えていくのだ。
海のキレイさなんか二の次なのである。透き通った水じゃないことくらい誰だって百も承知である。
むしろ大事なのは「海の家のキレイさ」。
海水も砂浜も大してキレイでもない湘南がいまだにナンバーワンをキープしていられるのは、たくさん女子が来るからである。
たくさん女子が来るのは、設備が整った、清潔感のあるお洒落な海の家があるからである。

先日、静岡県内のとある海水浴場へ行った。
海の家はお洒落とは程遠い、シャワーもトイレも鬼のような、それこそ昭和の時代から何一つ修繕されていないような家だった。
それで駐車場500円+海の家利用料1000円。
しかもシャワー利用料はその中に含まれず、別途一回100円。
おまけにその「1回」がすごい。
100円玉を入れると口からお湯が出るのだが、90秒ほどで止まる。時間制限ありの100円なのだった。
むろん、そんな大事なことでも事前の説明など一切なし。
奥さんが入っているのを入り口で立って待っていたのでどうにか奥さんのヘルプに応えてコインを追加することが出来たが、一人だったらどうなるんだと空恐ろしくなった。
僕の番になってシャワーブースに入ったら一枚だけ貼り紙が張ってあった。
「お湯が止まったら大声で店の者を呼んで下さい」
なるほど、一人だったら叫べばいいのか。
っておいおい。(-_-;)

そこは全国でも名の知れた海水浴場だが、このレベルである。
それでも僕は腹は立たなかった。呆れたが、二度と来るか!とは思わなかった。
海は楽しい。
去年、小学6年以来、何十年ぶりに海水浴をして海の楽しさを思い出した。
キレイな海、キレイじゃない海、波の強い海、色んな場所で遊んだ。
海離れが進む中で、僕は海に戻っている。


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2017.07.29 | | 時事問題

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