圧倒的少数派

今日も新大久保でプチ仕事。ちょうど昼過ぎに終わる予定だったので、予めレストランを予約しておいた。
このあいだ来た時はせっかく大久保にいるのに普通の洋食ダイニングみたいなところに入ってしまったので、今日はリベンジも込めて韓国料理のお店へ。
韓国は今いろんな意味でHOTだからね。
店に入って韓国人の男性店員さんに「予約してた○○です」と告げ、案内された席は入り口に一番近い、それもマックの座席みたいな極狭な席を案内されそうになり焦った。というのも、予め「他人が気にならない隅っこの静かな席を希望」と要望しておいたからだ。
と、店員さんが間違いに気付いたらしく、誰もいない一番奥の静かな席へ促された。ホッ。。
僕が外食で一番恐れるのは、価格でも店の雰囲気でも料理の質でもタバコの煙でもない。
他人だ。
客層といってもいい。
不愉快な「声」や「音」のしない空間でないと金を払ってまでそこで食べる気がしない。ついこの間も、歩くたびにキュッ!キュッ!キュッ!とけたたましい音が鳴るシューズを履いている子供がいたせいでランチを食べ損なった。
先週は回転寿司で案内されたテーブルの隣の席に乳幼児連れの家族がいたので「やっぱいいわ」と踵を返して店を出た。
酔っ払いの声も耐え難い。一部の若い男によくある、口と鼻の間から出しているようなしゃくりあげた甲高い笑い声も耐え難い。オバサマたちの、ショップチャンネルの歓声みたいな感嘆の声も、超早口でご近所情報をまくし立てるママさんの「・・なのー」「でねでねー」も聴いていると空しくなる。
「ビョーキよ」
と、奥さんに呆れられ続けてきた。
「そんなに気になる?」
と友人に嫌気をさされてきた。
そのたびに僕は自分の正当性を主張し、こんな席に座らされた己の運の悪さを嘆き、グチり、さらに一緒にいる相手をウンザリさせてきたのだった。
僕は圧倒的な少数派である。
歩くたびにキュッ!キュッ!と音が鳴るシューズを履いてイタリアンレストランに子供を連れてきてはいけない、などというルールはないし、たとえ旅館のお食事会場であっても酒を飲んで豪快に笑ってはいけない、などという決まりはない。酒が入れば愉快になり、愉快になれば声もでかくなる。そういう人間がいる場所で食うのがイヤなら別料金払って個室で食え、という話なのだろう。
その証拠に、その場にいる誰ひとり、迷惑そうな顔をしている人間はいない。みんな何食わぬ顔をして食べ、笑い、相槌を打っている。
だから全部僕のワガママ、お前がおかしい、耳詮でも買え、と言われるのは分かりきっている。

欧米では(ダイナーなどは別として)、基本的に街角のレストラン(個人店)に子供は連れてこない。
レストランというのは良識あるオトナが知的な会話や近況報告を楽しむ場所であり、ファミリーで来る場所ではない。子供はベビーシッターに預けて、夫婦が夫婦だけの時間を過ごすために来る。家事や子供から開放される為に来る。そもそも、酒が出る場所に未成年を連れてくるなんて言語道断、というモラルもある。
日本は逆である。
日本の大半の夫婦は夫婦だけだと間が持たないからか、接着剤代わりにどこへでも子供を連れて来る。あいだに子供を挟まないと会話の糸口さえ見つからないかのようである。かといって、子供を挟んで妻と夫が大人同士の話をするのかと思えば結局それぞれが別々に子供に話しかけているだけだったりするのである。子供の目の前で堂々とワインを飲む親もいる。誰も咎めない。
良い悪いではなく、それが巷でよく見る日本の夫婦の像である。
そういう夫婦の国だからか、どこでも子供が来られるように垣根が低くなって、いまやハレとケも内と外もない、カップルでも子持ちでも学生グループでもママさん軍団でもなんでござれの飲食店ばかりになっている。街角の個人経営のピッツェリアも、サイゼリアも、同じ客層が同じ「ノリ」で入ってゆく。。
ずっとお気に入りだった、地元の隠れ家的なイタリアンレストランも、どこからか噂が広まって主婦たちが押し寄せるようになり、数年前からキッズが走り回り赤ん坊の泣き叫ぶ声がこだまする、低劣な雰囲気のファミレスへと堕してしまった。
僕を苛立たせる騒音の原因は、この国の<緊張感の欠如>にある。

料理が来た。

分厚いサムギョプサルに、アサリのダシの効いたスンドゥブチゲが絶品だった。
忘年会らしい、中年の主婦たちが10名ほどワイワイ入店してきたが、少し離れた、仕切りの向こう側に案内されていた。
今日は最後まで不快な思いをせずに食べ終えることが出来た。
この店とは縁があったようだ。
チャルモゴッスムニダ!m(__)m

結局、孤独なのだ。孤独だから、喧騒を呪うのだ。
そして孤独が、好きなのだ。

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2016.12.13 | | 未分類(日常、随筆)

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