台風の日

ひたすら雨が降った。

自分の住む地区に土砂災害警報と避難準備警報が出された。山も丘もない平坦なこの街のどこで土砂災害が起こるのだろう。
荒川が氾濫するというのならまだ分かるけど。

ふすまはカタカタ鳴りっぱなし、窓にはしぶきがバチバチ当たる。
「避難」の二文字がうっすらと頭をよぎったけど、外に出るほうが逆に危険な気がした。
さっきテレビで、ガードレールにつかまったまま動けなくなった女性がいると通報を受けて警察が見に行ったら、心配停止の状態で倒れているのが見つかった・・・と言っていた。
女性は自転車で走行中に転倒し、流されたという。
なぜ外に出たのか。
こういう話は台風のたびに必ず聞く。
畑を見に行くと言って・・・船をつないでくると言って・・・・連絡の取れない家族を探しに行くと言って・・・・。
責任感の強い人ほど犠牲になる。
もしかしたらガードレールにつかまっていた女性も何かのっぴきならない事情があったのかもしれない。
まあ、なんにせよ、まさか「いつもの道」が冠水し自分が流されるなど夢にも思わない。僕たちが享受している「日常」や「平和」などというものは、シャボン玉より軽く、クモの巣よりも千切れやすいものだ。
うららかな日々が永遠に続くなんて保証はどこにもない。

・・・なんてことはいちいち言われなくたって誰もが分かっている。
分かっているけど台風一過、喉元過ぎれば熱さ忘れるで、明日にはみんな義務と習慣という名の濁流に押し流されて、こんな台風のことは晴れが3日も続けば忘れてしまうのだ。
悲劇や災害をすぐ忘れてしまう・・・。
一見愚かしいことのように見えるが、逆に言えばそれだけこの国には治癒力というか、強い日常、分厚い平和の自動運転装置があり、行き場や義務、仕事を求める国民がいるということでもある。
僕はそんな日本が好きである。
これが怠け者の集まりの国だったら、いつまでもダラダラと土砂をスコップでつっついているだけだろう。そして左手で国に補償を求めるのだ。
3日でスカッと忘れられるだけ幸せなのかもしれない。

さいたまはもう雨も小降りになり、風も止んだ。
さっき外出時に通路を降りていったら、あの大きなブットレアが折れて倒されていた。
ショック!
3日じゃ忘れられそうにない。

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2016.08.22 | | トラックバック(0) | 未分類(日常、随筆)

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