お酒の話

梅シロップを赤ワインとソーダ水で割ったもの。DSC_0477sssgys.jpg
コメントで教えて頂き、試しにやってみたら気に入っちゃった。
赤ワインの酸味と梅の香りとソーダの爽快感が合わさって、楽しく飲めるお酒って感じ。
お酒はすごく早い時期に飲み始めた。オールドロックと映画浸けの青春だったからお酒に対する憧れが人一倍強かったのである。
ロックにしても映画にしても「酒」を抜きにしたら語れない部分というのがある。
下戸のハンフリー・ボガードなんかありえないし、酒場がなければジョン・ウェインやイーストウッドは一体どこでケンカを売られればいいのか。
家族を殺された元諜報員、ワイフと別居中の刑事、恋人に逃げられて途方にくれる男、自分を見失った弁護士、流浪のピアニスト、雪に閉ざされたホテルの管理人をしながら小説を書く作家・・・・映画の中には無数の境遇や人生があり、無数の酒がある。
どんな風に飲むか、その所作も撮り方も映画によって異なる。
紙袋に入ったままジャック・ダニエルのビンをグイグイやる。吹雪の中、胸ポケットから小瓶を取り出す、ベッドから腕を伸ばし、散らかったテーブルの上にある飲み残しのグラスを探す。女の首筋から垂らして股の間から飲む。
少年の僕にはどれもクールに見えた。主人公が自堕落であればあるほど格好よく見えた。自分も酒に酔ってこんなセリフを吐いてみたい、酒に溺れなきゃいられないほどの苦悩や絶望って一体どんなものだろうか。。。
16歳の時に父の酒を盗み飲むことを覚えた。レコードを盗み聞くだけでは飽きたらなかったのだ。息子とは父を盗むものである。超える前にまず、盗むのだ。父の恥部も盗む。盗んで自分や友達と「鑑賞会」を開いて己の性的成長の糧にするのだ。
夏だった。母が梅シロップを作っていた。冷蔵庫をあけてグラスにシロップを注ぎ、水で薄めて、その上に父の焼酎を入れて飲んだ。
誰に教わったわけでもなく・・・。いや、強いて言えば父だろう。父は水割りを好んで飲んでいた。正確な割り方など知らずとも、幼少期から目の前で見てきているので、「なんとなく」でいけた。
ソファに横になって、酒を飲みながら「パルプフィクション」を観た。
恐らくそれが当時の僕の精一杯の「背伸び」だったのだ。
夏の午後、ソファに横になりながら酒を片手に「パルプフィクション」を観る。
半分も飲んだら全身が真っ赤になって、まぶたが恐ろしく重くなった。立ち上がると宙に浮いているようだった。
愉快だった。でもどこかでこの状態の自分を批評している自分がいた。映画の中のジャック・ニコルソンやロバート・デ・ニーロやトラボルタのようになれているのかテストしている自分がいたのである。
1時間後にバイトだった。
僕はその状態でバイクに乗ってバイト先に行ってハンバーガーを焼いた。とんでもない話である。
その数ヵ月後、バイトの飲み会で倒れた。
カラオケ店のトイレに入ったところで記憶が途切れて、気が付いたら家の和室に寝ていた。どこからか父が現れて障子をパンパン開けはじめた。強い日差しに目を細めていたら父が
「グレープフルーツ食うか」
と言った。

それから酒は飲まずに大人になった。
20代後半になって、やっぱり酒への憧れが捨て切れなくて、ビールを飲み始めた。そして知った。自分がいかに酒が弱いかを。
そして酒よりオツマミのほうが好きかを。。。
飲んでいるうちに少しずつ強くなっている気がするが、僕の場合はあくまで嗜みとして飲んでいるので、酔って暴れたり他人に危害を加えたりすることはない。
ただ、眠りに墜ちるだけである。
亡き父もよく水割を呑みながらアクション映画を見ていた。そしていつしか画面の中のマシンガンより、親父のイビキのほうが大きく響いているのだった。

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2016.07.22 | | トラックバック(0) | 未分類(日常、随筆)

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