園芸雑貨は高すぎる!

流行語、と言っていいのか分からないが、最近、「プチプラ」という言葉が流行っているらしい。
最初聞いたとき「プチ・プラネタリウム」の略かと思ったら全然違った。「プチ・プライス」の略だそうで、辞書によると、「おもに若い女性が購入するファッション・アイテムや化粧品、雑貨などを対象に、高価ではないが素敵なものを指す言葉として使われる」。確かに、「プチプラ」と検索してみると、「プチプラ・ファッション」「プチプラ・コスメ」「プチプラな安かわアイテム」などといった言葉が出てくる。
「プチプラ・ガーデニング」というのはないのかと一応検索してみたがかすりもしなかった。無理もない、園芸ほど、「プチプラ」するのが難しい世界もないのだから。

例えば、「しまむら」や「ユニクロ」で「安かわいい」セーターを見つけたり、百円ショップでお洒落な手鏡やコンパクトを見つけたりするのと同じように、園芸雑貨も買えるかといったら、買えない。
確かに百円ショップの園芸コーナーにはそれなりに凝ったデザインの鉢やプランターが置いてあるので、それを使えば「プチプラ・ガーデニング」になるのかもしれないが、ではファッション・アイテムのように百円ショップ以外でも「プチプラ」が出来るかと言ったら、できない。「安いのにまあまあ素敵な園芸雑貨」は、百円ショップにしか置いていないからだ。それ以外は、「高価」かもしくは「割高」である。

一番分かりやすい例がジョウロだ。「ポリエチレンの緑色のジョウロはダサいから嫌だ!もうちょっとおしゃれなジョウロで水やりがしたい!」と思っても、少しでもお洒落になると、もう倍以上の価格に跳ね上がる。ポリエチレンのジョウロはどこでも500円程度で買えるのに、同じような形でも赤い色が付いただけで2520円に跳ね上がる。
他にもブリキや特殊素材の「アンティーク調」「ナチュラル風」のものがあるが、そのレベルになるともう普通の人間には手が出せない。
つまり、この国には、「5リットル入るがポリエチレンのもっさいジョウロ」か、「お洒落だが4~5倍の価格のジョウロ」しか売られていないのだ。中間がない。そして誰もそのことに疑問を抱いていない。
洋服の場合は違う。地元のディスカウントストア→しまむら、ユニクロ、モール→パルコ、百貨店→有名ブティック・・・といったように客の種類と価格に応じた階層が出来ており、「パルコ」レベルの洋服が偶然「イオン」でも発見できたり、「しまむら」でも見つけられたりする。だから「プチプラ」も可能なのである。しかし園芸では、上にも書いたとおり、高級か、廉価か、の二者択一を強要される。花苗の激安店というのは存在するが、園芸小物の激安店というのは聞いたことがない。

ゴミのように捨て置かれている白塗りの箱に2500円とか3000円、錆びついたブリキのプレートに2000円の値札を張るのが園芸店である。恐らく「輸入品だから」「アンティークだから」というのがその理由なのだろうが、なぜ白い箱を売るのに輸入に頼らなければならないのか謎である。それに、そんなものが「アンティーク」と呼べるなら、八百屋がキュウリを乗っけているザルだってアンティークである。「ヨーロッパ風」とか「アンティーク風」とかいった戯言に騙されて、ホイホイ金を払う消費者が要るから、このような異常な価格設定がまかり通るのだ。

 

普通、お洒落に気を使う女子は産卵間近の鮭のように上へ上へと目指すものだが、これを「可愛ければ何でもいいじゃん!」と、敢えて逆流してみせる新しい生き方、価値観の表明が「プチプラ」だと僕は思う。しかし、園芸ではまだそのような環境は整っていない。



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2011.11.15 | | 園芸コラム

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