ありのままトランプ

「この国には公正で中立的なバカが多すぎる」
女性インタビュアーを中傷したため共和党主催のパーティからさえ招待を取り消されたトランプ氏がツイッターでつぶやいた言葉である。
「あんなキワモノはすぐに飽きられるさ」と誰もが冷めた目で見ていたが、飽きられるどころか支持を拡大している。
その人気の秘密を検証する番組が毎日のように流され、本屋に行けば「トランプ現象とは何か」といったような新書やムックが平積みにされている。
否定的なものであれ肯定的なものであれ、相乗効果で彼の名前は子供からおじいちゃん・おばあちゃんにまで覚えられた。
過激な発言で物議をかもし、ネットやニュースの話題をさらういわゆる「炎上商法」バンザイというわけだ。
僕は政治家としてのトランプ氏にはほとんど何も期待していないが、彼が支持される理由はよく分かる。
トランプの凸は、オバマの凹である。
つまり、彼はオバマに欠けていたものを全て持っている。というか、オバマに欠けていた要素だけで出来上がったような候補者である。
オバマに欠けていたもの、それは見る者をハラハラさせるような「危うさ」「愚かさ」だった。言い換えれば「人間味」、「ぬくもり」である。
アメリカにも日本のような皆保険制度を、核のない世界を、と掲げる理想は温かいが、彼の目は、口元は、いつも冬のコップのように冷えていた。
また、彼は退屈な男だった。
前任のブッシュ、もうひとつ前のクリントンと比較しても、ニュースバリューの低い男だった。無難で、危なげなく、スマートで、甘くもなければ辛くもない、水のような男だった。
それで政治手腕が高ければ文句はないが、少なくとも外交面では鳩山由紀夫や菅直人と同じ箱に入れたくなる「音痴」であった。彼の政治センスが鋭敏になるのは、自分に賞や栄誉が贈られると見込まれるときだけであった。近いうちに広島に来るというのもそのひとつである。クールに見えて、「歴史的」という冠にめっぽう弱い、ケチで現金な男である。
そういう意味では同じ名前の党だけあって、わが国の民主党の議員と大差なかった。カメラ映りとカツゼツのよさしか取り柄のない、上っ面だけのファッション政治家(ポーザー)である。
そこへ行くとトランプ氏はどうか。
見事にオバマの逆を行っているのがお分かりだろう。
オバマがちゃちなポーザーなら、トランプは狂気のブルドーザーである。
すかした「オバマ的上っ面ワールド」を押し流すクレージー・ブルドーザー。
トランプはオバマのように器用でも狡猾でもない。そもそも政治家ですらない。そんな男が長い選挙戦を一度の失言も失態もなくやり遂げられる訳がない。
だから彼は「ありのまま」の自分で行くことにしたのである。
タイミング的にベストだった。
オバマのすかした偽善臭がそろそろ全米中に行き渡り、ヒューマンなのは口先だけで、しょせんは自分だけ目立てればいい小物だったことも分かってきた。
そこにトランプのような、オバマとは180度違う、言いたいことをズケズケ言うオッサンが登場した。ワッとなるのは当然だろう。
評論家は「トランプの支持層は低所得者やブルーカラーがほとんど」とことあるごとに付け加える。あたかも学歴の低い単純なバカほど強いものに憧れるのだと言わんばかりに。
そういう色眼鏡で世の中を見ていると本質を見まがう。
彼らがトランプを支持するのは、トランプがマッチョだからではない。
彼が自分の地位と名誉を担保にしてクソを垂れ流し、クソをひっ被っているからである。
こういう芸当はオバマには絶対に出来ない。
発言の過激さだけが取り沙汰され、、そこだけが魅力のように語られるが違う。トランプのアティトゥードには確かに「誠実な何か」がある。
演技も、二枚舌も、プロンプター(スピーチの文面が映し出される透明のガラス板:観客にはあたかも諳んじているように見える)も使いこなせない男の「暴走」は、アウト・オブ・コントロールであるがゆえに誠実に映るのだ。
それに、トランプの発言はクソばかりではない。まれに「玉」も出てくる。
先週、彼はニューヨークタイムズのインタビューでこう吼えた。
「米国は不釣合いなまでに国連に拠出しているのに、我々は国連から何も得ていない」
「彼らは米国を尊敬していない。米国が望むことをやらない」
国連が言うにはオバマは「近年でもっとも国連外交に理解のある大統領だった」そうで、トランプはこれに噛み付いたのである。
国連に「FUCK YOU」と言いたいのは我々日本人も同じである。
トランプ氏はTPPも白紙に戻すと言う。
核武装もどうぞどうぞという。
「自分の国は自分で守れ」という。
きっと憲法改正も後押ししてくれるだろう。
偽善がない分、分かりやすくていい。
無意味なトラブルに引きずり込まれたり振り回されないよう、適度に距離を取っていればトランプ大統領もありかもしれない。
どうせ誰が大統領になってもアメリカは世界の警察ではなく、テロは終わらず、日本は「世界の悪者」であり続けるのだから。

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2016.04.12 | | 政治

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