3コードの庭

奥さんに僕の苗の植え方が「小学生みたい」と言われたことは昨日書いた。
僕の植え方=うちの庭、ということだが、確かに大人びてはいないが、この家にはこれが合っていると僕は思っている。
「だってあなたの植え方、『ぶわぁ植え』なんだもん」と奥さんは言った。
「なんだ『ぶわぁ植え』って」
「ぶわぁー!って同じ苗ばっかり植えてるから『ぶわぁ植え』なのよ。鉢植え、寄せ植え、ぶわぁ植え」

「勝手に言葉を作るんじゃない。もともと庭木がたくさん植わってて緑が多いから、色があったほうがいいんだよコンチクショウ」

まあ、そうは言っても確かに。。ちょっと「ぶわぁ植え」のキライがあるのは否めない。あてもなく苗を爆買いしてきては通路や花壇に植えまくる、悪天候や多忙で植えられずに縁台の上に放置することも多々ある。1苗1苗を大事にしているとは言えない。だから「ぶわぁ植え」なるヘンンテコリンな名前の植栽方法だと指摘されても仕方がない。
奥さんが突然中2病的自己否定に走り出したのには訳がある。
我が家の近くに、雑誌やメディアによく紹介される有名園芸店がある。女性なら誰もが「ステキ」と感じる、絵本の中のような庭を有するお店で、奥さんは先日、たまたま通りかかってその店の庭を眺めているうちに、自分の庭が非常に幼稚で田舎臭いものに思えてきたのだという。
そこでは黄色や青のパンジーを一箇所に植えたりしてないし、背の高いストックを後ろに並べて前に背の低い苗を、なんて教科書通りの小学生みたいな植え方はしていないんだそうだ。
「ウチもあんな風にもっとお洒落にしたいわ」
気持ちはよく分かる。
僕もその店には何度か行っているので言わんとしている事は分かる。確かにその店の庭はある種の女性には感涙ものだろう。まるでジブリ作品の世界に入ったような錯覚を覚えるだろう。寄せ植えもクソ上手い。使っている苗もシックで都会的で、クールである。
でもウチはウチである。真似しようにも、ブロック塀に囲まれた住宅街の真ん中の借家でやれることには限界がある。

かつて「パンクロック」という音楽が一世を風靡したことがある。70年代の中頃だ。
「3つのコードさえ覚えれば誰でも出来る」と言われたほどシンプルで直情的で、荒削りな音楽だった。
批評家に褒められることも芸術品扱いされることもない代わりに、パンクは無数の若者にギターを手に取る機会を与えた。
超絶的な速弾きも、複雑なコード進行も、フレディ・マーキュリーみたいな美声も、デヴィッド・ボウイみたいな美貌も必要ない音楽だったからこそ、若者たちは「やってみよう」と思えたのである。
僕はパンクでありたい。
こんなズボラでガサツでアホみたいなヤツでもあんな通路に花をたくさん咲かせてるんだぜ?うちだって出来るっしょ!
と、このブログを見た人が思ってくれれば、それ以上の喜びはない。
もちろん、上の園芸店のような完成された、抜け目のない、園芸雑誌御用達のような庭でないとイヤ、という人もいるだろう。それはもう、好みの問題である。
僕は自分のstyleは変えない。変えられない。ラモーンズはクイーンにはなれないし、クラッシュはエアロスミスにはなれない。
多分、ずっと僕は隙だらけ、問題だらけ、お洒落になり切れない、ガキっぽい園芸をしているだろう。それが僕なんだからしょうがない。そういう男なのだ。
「分かって下さいな」
と、洗濯物を畳みながら説明したら奥さんは納得してくれた。
と、思う・・・。

おしまい。

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2016.03.07 | | 園芸コラム

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yuhei

Author:yuhei
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