園芸と知性

「趣味の園芸」の小コーナー「時代を作った花たち」を楽しみに見ていたら、なんと今週で終了ですとアナウンス。ふざけんじゃねえと画面に向かって叫んだ。
だったら「野菜の時間」の無名アイドルにプランター菜園をさせる無意味なコーナーをなくしやがれ。

いつもこうだ。自分が好きになると消えてしまう。店でも食料品でも番組でもタレントでも、自分が気に入って行き始めたり、買い始めたり、見始めたりすると、フェイドアウトしてしまうことがよくあるのだ。
やれやれ。

ところでアイドルといえば。
カープ女子、リケジョに始まって、相撲女子、競馬女子、プロレス女子・・・と、「女子」をつけることでジャンルそのものの若返りを図る戦略が連発されて久しいが、そこに投入されるのがアイドル集団の末席にいる無名アイドルである。
すごいのになると元AKBの誰それは憲法を103条全部暗唱出来るとかいって、「日本国憲法女子」とか名乗って本まで出していた。
憲法なんぞピチピチの女子高生が暗唱しようとどうしようと若返りようもないほどカビが生えた代物だが、まあ、人間何かしら特技があるってことだ。

僕は「時代を作った花たち」を素晴らしいコーナーだと評価していた。
図書館で昔の園芸雑誌を借りてみれば分かると思うが、昔の園芸雑誌にはああいった「ちょっと知的なコーナー」が必ず載っていて、草花の歴史はもちろん、絵画に描かれた草花、映画に出てくる植物、文学と花、などなど、園芸にまつわる知的オピニオンが展開されていたものだ。園芸研究家や大学教授が筆をふるうときもあれば、名の知れたエッセイストや作家が担当している時もあった。
だから昔の園芸雑誌は活字のページが多い。写真より文字情報である。丸一日テーブルやコタツで熟読できるようになっている。
それが今の園芸雑誌ときたら、写真写真写真、広告広告広告。
印象と雰囲気だけ。
ぱっと見の「キレイ」「ステキ」だけで押し切ろうとしている。
文字もえらく小さい。この寄せ植えになんという花を使ったのかの説明がページの右下の隅っこに最小の文字サイズで書かれていたりする。馬鹿げている。

昔は昔、今は今。
そう言われればそうだ。
昔は世の女性たちにも、たとえ園芸のような社会の役に立つようなものでなくとも、それにまつわる知識と教養を備えて頂こうという熱意が送り手側にあった。読者にもそれを求める貪欲さがあった。向上心があった。主婦はただの留守番じゃないわよという反骨精神がオンナにあった。
翻って今は、「ガーデニングなんかやってるオバサンなんて単純だからこれでいいんじゃね?」
という意識で雑誌を作っている。それはもうページを開けば一目瞭然である。小奇麗なカラー写真と、裏技でもなんでもない「ウラワザ」をご紹介。おわり。
要するにガーデナーを見下している。
そして今の若い読者はそれで構わないと思っている。むしろそのほうが読みやすいし、お洒落な表紙は部屋に置いてもサマになるとか思っている。
送り手も受け手も、みな軽薄なのである。
だからああいうタメになるコーナーが打ち切りになり、アイドルがプランターに水をやるだけのコーナーが生き残る。

ベンチの置かれたイングリッシュナチュラルガーデンもいい。くたびれた木箱やバラの生い茂った青い窓の小屋もいいだろう。
だが、そういう表面的なシンボリックな情報(写真)で憧れだけ植えつけるのではなく、園芸を通して新しい世界が広がるような、視野が広くなるような誌面にしよう、番組にしようという気概を持って欲しいものだ。

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2017.03.05 | | 園芸コラム

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