2014-09-30 Tue
収穫した柿は日曜日に送り、翌日双方の実家から感謝のメールがきた。それでもまだ山のように残っている柿を近所に配って回った。奥さんは仕事で手一杯らしかったので僕一人で回った。隣接しているお宅は比較的高齢の方が多い。一応、柿はOKかNGか訊いてみてから渡すようにしたが全員快く受け取ってくれた。
2軒のお宅でそのお宅の庭の柿の木を見せられた。うちにも柿があるんだけど実らないと言う。前の家のおばあさんには「消毒か何かしてらっしゃるの」と訊かれたが何もしてない。樹齢の問題だろう。うちの柿は30年前から植わっている。
今朝、二階のベランダで奥さんと洗濯物を干していたら横の奥さんが塀越しに自分たちを見上げて礼を言いつつ、「あれはまだ早いんじゃないかしら。もっと熟れてから収穫したらまた食べさせて」と感想を寄越してくれた。確かにまだ青みが残る、硬めの状態で渡してある。熟れた状態で渡すともらった方も「早く食べなければ」と焦るだろうと思い、あえてそうしたのだ。自分のペースで食べられるように、また、さらに別の誰かにもあげられるように。
もっとも横の奥さんがクレームを言っているのでないことは分かりきっている。もらった柿は熟れるまで待って食べるつもりだがもっと赤くなってからまた収穫して食べさせてくれと言っているのだ。
ちなみにうちの柿は横の奥さんの家の屋根にも半分かかっているので、その家からもうちの柿はよく見える。
「それにしても去年はそんなに実ってたかしらね~」と不思議そうに言う。
「そうなんですか」
「人が住むと実るのよ」
僕たちの前に住んでいたのは老人である。いつから、どういう経緯で、いつまでここに住んでいたか正確なことは分からないが、老人であったことは確かだ。通路には段差がなく、階段に手すりがあり、高齢者用の緊急ダイヤルを記したステッカーが玄関の扉に貼ってある。この家を少年時代から知っている不動産屋のK氏の口から一度「おばあちゃん」と聞いた気がするので老婆が一人で住んでいたと勝手に想像している。
数週間前、その老婆を訪ねて来た人がいる。
玄関先でタバコを吸っていたら爽やかな声で挨拶された。門戸からずんずん上がってきて僕の前に立ち、通路の花を褒め、ハンギングを見上げて「おはながいっぱい!」と言った。それからバッグをまさぐって名刺を見せた。介護福祉プランナーだか福祉介護プランナーだか、そんな肩書きだ。
「ここに、おばあちゃん住んでませんでした?」と彼女は言った。たまたま近くに来たものだからどうしてらっしゃるのかなと思って前まで来たら、お花がいっぱいで。つい上がって来ちゃった。私も好きで、家でやってるんですけどね・・・こういうのは、女性の方が植えてらっしゃるんでしょう?」
「全部僕です」即答した。それから付け加えた。「奥さんも」
「庭の木は・・・変わってないようだけど」おばさんは体を反転させて柿を見上げ、ふと我に返ったように僕にいつからここに住んでいるのか聞いた。僕は答えて、逆に彼女に質問した。そのおばあさんはここに一人で住んでたんですかと。
「そう」と彼女は言った。「だったと思う」
ホームに入ったか、家族が引き取ったか、亡くなったか。僕は想像上の老婆を、彼女は薄い記憶の中の老婆を思って黙った。
去り際の合図のようにニコリと笑って彼女は会釈し、「お邪魔しました~」といい去って行った。
僕はタバコを捨て、玄関のドアを開けた。
背中でまたひとつ柿の実が落ちた。
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2014-09-28 Sun
昨日は柿の収穫のことしか書かなかったが実はエダマメも収穫していた。
自分で耕した畑に自分で種を蒔き、自分で育てて自分で収穫した自分用のオツマミさ!などと感慨に耽りながらビールをあけて、茹でたエダマメを剥いてみると、ハニーワームのような小さいイモ虫の死骸が豆の中に。
「こっちにもいるわよ」
夫婦で確認しながら皮を剥いていく。
結局半分以上に招かれざる客が居候していた。
仕方ないので全部捨てた。無念すぎる。
思えばオルトランもネットもせずに放置で育てていた、完全無農薬エダマメだった。「エダマメは無農薬でいけるわ~」なんて余裕ぶっこいてたが、このザマ。でも夏と秋、二回作れるってことが分かっただけでも収穫だ。来年は同じ過ちは繰り返さん。
トウモロコシも二回目。ヒゲも出てきて、もうすぐ収穫かな。エダマメの二の舞にならぬよう「トアロー水和剤」を散布しておいた。

パンジー/ビオラもかすかに発芽してきた。(分かりにくい)


播種後2週間。発芽率がいまいち悪い。覆土しすぎたかな。それとも手作りの種まき用土が悪いのか。(ちょっとテキトーに作りすぎたか)
庭の片隅でシュウメイギクが咲いた。

引越しのときに前の家の庭から持ってきた。蕾がたくさん付いているから次々に咲きそう。かなり好きな花。
夕方からは庭でバーベキュー。

昨日近所のディスカウントストアでバーベキューコンロと着火剤、木炭などを調達してきた。結婚生活初のBBQ。火起こしに手間取った。こっちは男だから野生児ぶってこんなのガキの頃に散々やらされたぜみたいに奥さんを押しのけてマイターン来たって感じで主役張ろうとしたんだがすぐ消えちゃう。
「あんたの置き方なってないのよ」
ケンカしながら奮闘すること30分。僕の「息をフーフー吹きまくる作戦」が功を奏して木炭全体が赤々と燃え始めた。
家庭菜園で取れたナスを焼いて食べた。
来月、トウモロコシが大きくなったら焼きトウモロコシも出来る。
庭があるっていい。
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2014-09-27 Sat
今日はとうとう柿を収穫した。9月に入って熟れた実が落果するようになり、その後始末が悩みの種になっていたのは先日書いたとおりだ。大阪・名古屋出張から戻った日もコンクリの上で爆発していた。二階のベランダから見下ろすともうだいぶ色が濃くなってきている。中にはトマトも見まがうような色になっているものもある。放っておくとバンバン落ちてきそうである。脚立を出して、収穫開始。
実はうちには二本、柿の木が植わっている。玄関前の6~7メートルほどの大きな柿の木(↓左)と、東側にある小さく細い柿(↓右)だ。


しかし本格的に収穫する前に、確かめることがある。

味だ。奥さんみずから脚立に乗って収穫した実を剥いて試食。


僕自身、柿という果物に馴染みがないのでその美味しさはよく分からないが、甘いか苦いかくらいはわかる。砂糖が入ってんじゃないかってくらい甘い。柿が好物の奥さんは大喜びである。うちの柿は「当たり」らしい。
そういうことなら食べられそうな実は全部収穫しよう。

収穫して初めて知ったが、二本の柿、実の形も大きさも違う。左が玄関前の大きな木、右が東側の若い柿の木の実。玄関前の木のほうが実が大きく、丸い。東側の実は小ぶりで赤みが強く、少し尻すぼみの形をしている。品種が違うのか単に樹齢の差によるものか。。ちなみにどっちもむっちゃ甘い。
日暮れ間近にようやく収穫完了。

多分百個くらい獲れた。もちろん全て自分たちで食べられるわけはないのでお互いの実家に送る。柿が大好物のうちの母はGWに来たときに「甘い柿だったら送ってね」と「予約」を受けている。この柿なら多分母のお眼鏡にもかなうだろう。

軍手をはめた手で一個一個磨いていった。表面の汚れや花粉のようなものがみるみる取れて、信じられない光沢が出た。なんか農家になった気分だ。

それぞれの実家に送る分の柿を別にしてもこれだけ余った・・・。

しかもまだ木には青い実がたくさん付いている・・・。また数日後に収穫することになるだろう。
こうなったら近所に配って歩くしかないけど柿ってもらって喜ぶ人どんだけいるんだ?さっきスーパー行ったらうちの柿と同じようなのが一個98円で売ってたから、好きな人には喜ばれるかな。
獲れたら獲れたで悩ましい柿。
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2014-09-26 Fri
水・木と大阪・名古屋へ出張だった。二日目の朝、部屋のテレビで名古屋市内の地下鉄が冠水したと知る。昨夜はよく眠れたのでそこまでの雨とは思わなかった。窓から街を見下ろす。普通に車が走っている。結局、台風も仕事に影響を与えるほどではなかったので助かった。
仕事が片付いた頃には雲間から日が差して街全体がキラキラ光った。
街角の喫茶店でランチを摂った。ひどいランチだった。イシイのハンバーグ、コープのコロッケ、ニッスイのエビフライかと思うような日替わりハンバーグプレートだった。目の前にこういう↓施設があると寝ていても客が来るから自然とぞんざいな味になる。

ギネスブックにも載ったらしい世界最大のプラネタリウム。
さぞガキどもで騒がしいことだろうと思ったら案外オトナが多い。デートしているカップルもいる。
竜巻の実験は良かった。



目玉のプラネタリウムはお話にならない。

広さ、大きさ、美しさ、画面の鮮明度、チェアーの座り心地、清潔感、雰囲気・・・
設備・サービスはどこを取っても文句なし。問題は出し物の中身だ。
『上映時間50分』というから随分長いなとは思っていたが、なんてことはない、最初にちょっと天体を動かしたら、あとは動かない夜空を眺めながらの「ギリシャ神話朗読会」なのだった。その朗読も幼児に語りかけるようなゆったりとした「昔話読み」。入場者は半分以上が大人、残りは小学生である。
ほぼ全員が夢の中へもぐりこんだのは言うまでもないだろう。
宇宙の楽しさを教えるはずの設備を単なる「イビキ発生装置」としてしか使えないようならそんなのは宝の持ち腐れだからUSJにでも売却しろ。
なぜ、たとえば火星に降り立ってみたり、国際宇宙ステーションの中に入ってみたり、地上からは点にしか見えない星の実際の大きさを宇宙空間で眺めさせたり・・・といった基本的な娯楽要素さえ入れようとしないのか理解に苦しむ。
「神話の朗読」でリクライニングチェアーに座った8歳のガキどもが薄暗がりのなか目をパッチリあけて50分間過ごすと本気で思っているのだろか?馬鹿だ。
こんな調子じゃリピーターは望めないから5年以内に経営難に陥るだろう。
そのあと、栗りんさんに教えてもらった、みよし市の「三貴(みき)フラワーセンター」という園芸店に行ってみた。

結論から言ってここは名古屋市科学館の6億2千倍くらい面白い。
なぜならここは園芸店を越えた園芸店だからだ。

生活雑貨、食料品、園芸雑貨、文房具、農薬などが闇鍋のようにごちゃごちゃ置かれている店内。一歩足を踏み込んだら最後、2時間は出て来れない。
ブロンズの豚、250円くらい。ブロンズのサインプレート、300円台(記憶曖昧)
でもかなり安かった。




市場のように色んな資材が置いてある。正直何にどう使うのか分からない物も多い。
一番感動したのは道具類の品揃えだ。

クワやカマの「柄」と「刃」が別々に売られていて、素晴らしいと思った。HCで売られているものは昔の日本人の身長に合わせて作られているものが多く、柄が短かったりするのだ。別売りなら自分の体格に合った「マイクワ」や「マイ草刈」をオーダーメイドできる。それに壊れてもすぐ対処できる。物を大事にしそうだ。

さすがの品揃えで理想の手袋を見つけた。


園芸用のロング手袋。庭作業をしていると時々手首や腕に発疹が出るので、長い手袋を探していたのだ。これなら腕まくりをしても大丈夫。ギターを弾いているせいか普通より手が大きいのだが、奇跡的にサイズもピッタリだった。580円。
屋外は広い苗売り場。

リーガーベゴニア、シクラメン。もうそんな季節か・・・。早い。


シロタエギク、オミナエシ。


リーガーベゴニアは140円、オミナエシは78円と地元ではありえない値段が付いていたのでつい買ってしまった。
苗は園芸資材ほどの品揃えはないが、それも季節によるだろうから何ともいえない。
日が暮れてきた。エリアがたくさんありすぎてとても全部見切れない。

野菜・草花の種、季節の球根が所狭しと並んでいる。


閉店時間が近づいたのか、店員さんがあわただしくなってきた。
急いで花苗と園芸雑貨、それから乾燥しいたけ(安かったのだ)を買って外に出る。

食料品も一緒に買っているところがこの店の全てを表しているといえよう。
こんな店が家の近くにあったらな。。とつくづく思った。
アウトレットモールやデパートでのショッピングだとすぐ疲れて購買意欲がなくなるのに、こういう店だと何時間でもいられる不思議・・・。
また愛知に来たら寄ろう~。
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2014-09-22 Mon
家の敷地内に立派な果樹があるというのは借家の特典みたいなものだが、それも季節によっては悩みの種になる。特に柿に悩まされている。

前にも書いたが夏は夏で「生理落果」といって柿自身が実らせる実の数をコントロールして、入らない実をボトボト落とす。(カキノヘタムシという害虫による場合もある)まだ熟れていないので硬く、直撃するとかなり痛い。そんなものが毎日5個、6個上から降ってくる。
それが済んだと思ったら9月に入って、今度は早熟の実が落下してコンクリの地面で破裂する。熟れているから柔らかく、ニオイもきつい。悪臭ではなく、むしろ柿の甘~いニオイだが、ほとんど一日おきに一個、朝外に出ると通路で爆発しているのを見る。蟻やハエがたかっていたりすることもある。鳥も来る。信じがたいことにこの前の夜はタヌキが出た。イーオンの初代社長で民主党のフランケンの親父である岡田卓也はかつてショッピングモール建設の立地条件を「タヌキやキツネが出るようなところに建てろ」と言ったが我が家の周辺は家ばかり。大きな公園がすぐ近くにあるからそこから来たのかもしれない。
ところで落ちた柿だが、トングで拾おうにも地面にへばりついてキレイには落ちない。ある程度こぞげ落としたらホースを引っ張ってきて水圧で吹き飛ばす。正直面倒である。いっそ木の下にハンモックみたいなネットでも掛けておきたいくらいだ。
今現在、かなりの実が付いており、最終的に一体何個収穫できるか知らないが、
食べる前から地面で潰れている柿を何度も見せられ、自分の手で捨てさせられているとだんだん食欲も減退していく。なる気はないがこんなんじゃとても農家にはなれない。どんな野菜も果物もキレイなまま育ってキレイに収穫できるとは限らないのだ。まあ農家は自分で作ったものを自分で食べるとは限らないからこの場合は飲食店のバイトのほうが近いか。昔ある大学の食堂の洗い場でバイトしていた頃・・・いや、不快だからやめておこう。
あとはもう、味に期待するしかない。これが柿通の人も唸るような美味であれば落果した柿の残念な姿も記憶から消し去れるはずだ。
不味かったら泣くしかない。
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