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Author:yuhei
築30年の借家でホームオフィスをしながら理想の庭づくり、理想のインテリアを探求する日々の記録。
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映画・家族の庭(2011・英)
ガーデナーだから、という訳ではないのだが、映画のタイトルに「庭」とか「花」(の名前)とか「トスカーナ」とか付いてるとつい手に取ってしまう。もっとも、大概は園芸的興味をそそられないという以前に、映画としての質が低そうな場合が多いので、実際に借りることは滅多にない。
そういう意味で、この「家族の庭」は、園芸的興味以上の何かを僕に感じさせたわけである。(ビデオ屋で)
で、どんな話かというと、
カウンセラーをしている妻と、地質学者の夫がいる。二人とも60代後半くらい。非常に仲が良く、借りている市民農園へ二人で出掛け、二人で耕し、交代で料理を作り、日々の出来事を語り合う。妻はある日、同年輩なのにまだ独身でいる同僚のメアリー(画像中央)を食事に誘う。スモーカーでドリンカーで男運のないメアリーは酒に酔って己の自堕落な生活を愚痴りはじめ、その後も何度か夫婦に招かれるのだが、その度に己の不幸を嘆き続ける。

かいつまんで書くとこんな感じなのだが、結論から言って面白い映画ではない。自分の不幸を嘆いてばかりいる人をずーっと見せられるのも苦痛だし、特に気の効いたセリフもないし、何より「庭」とか言いながら園芸のシーンがほとんどない。原題は「another year」なので邦題がオカシイのだといえばそうなのだが、イギリス映画で「家族の庭」ってタイトルならボーダーガーデンのひとつくらい映るだろうとか思うじゃないか。でも、それもない。
市民農園のシーンだって、早朝だからか知らないがいつもなんかモヤモヤしてて、何植えてるのかも見えやしない。ベン・アフレック主演のアクション映画「ザ・タウン」とか「恋するベーカリー」とかのほうがずっと丁寧に家庭菜園を描いていた。

ガーデナーとして批評するならこれで終わりでいいのだが、映画ファンとして批評すると、非常に珍しいタイプの映画で、観て損はなかった。と言いたい。面白くはないが、観賞後、夫婦でこの映画の解釈を巡って小一時間議論出来たくらいである。
奥さんは、僕の意見は突飛で、そんな観方をしているのはあなただけだという。監督が聞いたら「あー、えー、うん、そ、そうね・・・はは」って言うと。
この映画の僕の解釈(?)はこうだ。

一見優しそうに見えるリベラリストが弱者(や自分より不幸な人)を前にして垣間見せる「ドヤ顔」と、家庭菜園などしていかにもエコぶってはいるが、そんな奴に限って一枚皮をはげば、自分の家族だけ幸せならそれでいいという個人主義者であり、偽善者であることを告発した類稀な作品であり、決してヒューマンドラマなどではないので、パッケージに書いてある
「ここに集まると喜びは倍に、悲しみは半分になる」
という文言は内容と著しく異なるため詐欺に当たるから削除しろ。
である。



というのも、 ストーリー上ほとんど意味を持たない市民農園をわざわざ借りさせているのだって、市民農園という空間が究極的には「個人主義」の世界だということを暗に示している訳だし、主人公の妻が不幸な同僚のメアリーに対して二度も「彼女には失望したわ」というのも、本当の部分では弱者の気持ちなど分からないリベラリストの「悪しきエリート主義」を表現していると思われるからである。本当に相手を思いやれる人間ならば、いくら相手が自堕落で愚かだろうと、「彼女には失望したわ」とは言わない。「失望」とは、上の者が下の者に対して使う言葉である。
それにこの妻は、メアリーの生活改善の手助けを一切しない。話を聞くだけで、男を紹介するとか、気分転換に買い物に誘うとか、具体的なことは何もしない。放置である。そのくせ、失望だけはするのだ。
ラストで、この夫婦はメアリーをあからさまに「厄介物」扱いをし、手のひらを返したように煙たがる。そして途方に暮れるメアリーの憔悴しきった顔のアップで劇は終わる。
要するに邦題の「家族の庭」とは、「家族以外は入れない庭」(入らせない庭)と解すべきなのである。

ヒューマニストに<見える>人間には気をつけろ。これがこの映画の趣旨だ。

ねじくれた映画レビューでした。m(__)m

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映画の感想 | 23:58:30