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Author:yuhei
築30年の借家でホームオフィスをしながら理想の庭づくり、理想のインテリアを探求する日々の記録。

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園芸界騒然!?市販の腐葉土から高濃度の放射線

埼玉県内のホームセンター(ケーヨーD2)で市販されていた腐葉土から高い放射線が確認された。という動画がユーチューブにアップされ、議論を醸している。


 

埼玉在住で日常的にホームセンターで腐葉土や堆肥を買う僕としては考えさせられる動画だった。しかしちょっと疑問に思ったことなのだが、腐葉土というのは普通、秋から冬にかけて採集した落ち葉に油かす、鶏糞、米ぬか、骨粉、発酵促進剤などを加えて圧縮し、発酵させて作るので、完熟するまでは少なくとも2~3ヶ月かかる。それがどうして汚染されているのか?
原発事故以降に集めた落ち葉で作ったのだろうか。しかし原発事故は3月11日だ。その頃にはもう落ち葉自体少なくなっている。保管の仕方が悪かったとも考えられるが、定期的に切り返し(かきまぜる)時以外は外気に晒さないので、放射線はおろか日光にさえ当たること自体少ないはずなんだが・・・・。う~ん。

しかしある意味腐葉土よりショックだったのが、動画の中で「ゴールデンなんとか培養土」と呼ばれている、培養土の汚染。これは正確には「ゴールデン粒状(つぶじょう)培養土」という名前で、ガーデナーなら知らない人はいない、有名な培養土。確かアイリスオーヤマが作っていたと思うが、なぜこれが汚染されていたのがショックかというと、この「ゴールデン粒状培養土」、じつは高品質・高効果・高価格で鳴らしていたからだ。店によって違うかもしれないが、大体一袋(14リットルだと)800円~1000円はする。安いものだと198円、高くても498円あたりが培養土の相場だから、この「ゴールデン~」は言うなれば培養土の中の最高級品といえる。クチコミでの評判もかなり高く、どこのホームセンターにも必ず置いてある。

どこぞの業者が作ったのかも分からない腐葉土が汚染されていたのならまだわかるが、「ゴールデン~」のような最高級培養土が汚染されていたなんてちょっと信じられない。

かくいう僕も、じつは先週、近くのホームセンターで赤玉土(小粒)を二袋と、腐葉土を二袋買ったばかりなのだ。うちでは市販の培養土は使わず、自家製の培養土を作って使用しているので、定期的に赤玉土&腐葉土を買うのだ。


 

腐葉土の方は「園芸の友」と書いてあるだけで産地や業者の所在地、メーカー名すらない。赤玉土の方にはしっかり会社名と所在地が記載されていたが。腐葉土も赤玉も花の植栽には使ったが家庭菜園には未使用。別にうちには子供もいないし、ちょっとくらい汚染されてても気にならないといえば気にならないのだが、金出してまでわざわざ汚染された土や腐葉土は買いたくはない。

この件はほとんど報道されていないせいか、問題の腐葉土を置いていたケーヨーD2、そして「ゴールデン粒状培養土」の販売元であるアイリスオーヤマからは公式のコメントは発表されていない。個々の問い合わせには答えているようだが。

野菜、お茶、牛肉、腐葉土・・・そして常識で考えれば、この次に来るのは米だろう。メディアは「不安を煽る」と自主規制して米の汚染状況について全く報道しないが、あと2ヶ月もすれば刈り入れが始まり、また同じような混乱が全国津々浦々で続出するのは想像に難くない。そうなったとき、また今回の牛肉騒ぎのように「出荷されてた~、されてた~」と馬鹿騒ぎするのか。
放射能汚染への対応では、「今現在起こっていること」もさることながら、「次に起こること」を予想し、先手先手で対策を採る必要がある。そしてメディアは自主規制なんぞしてないで国民にそのような懸念を正確に伝え、いざというときパニックにならないよう、国民に気構えというか覚悟を持たせるべきだろう。



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放射能・汚染腐葉土 | 19:20:31
放射能と家庭菜園

今日はインゲンの種を蒔いた。蒔き時は5月から7月上旬まで。ちょっと遅かった。でも多分大丈夫だと思う。去年も蒔いたが、さすがアメリカ産だけあって非常にストロング。適当にぶちまけて適当に土をかけてやれば適当に発芽する。それがインゲン。
      

菜園ではミニトマトが鈴なり、キュウリもなすも今年は豊作だ。去年はキュウリが「うどんこ病」(葉っぱに白いカビのようなものが発生する病気)に罹り、庭に出るたびに涙目になったが、今年は既に十本は収穫できた。
こう豊作だと、つい自慢がてら「じゃあご近所に~♪」とお裾分けしたくなるのだが、放射能のことを考えるとつい二の足を踏んでしまう。子供の居ない家ならいざ知らず、うちの周りは子供だらけ。まずお向かいさん、赤ちゃん×1。斜向かい、幼稚園児×2。道を挟んだお隣さん、幼児×1、赤ちゃん×1。裏のお宅、小学生×1、中学生×1。少子化どこ吹く風。
唯一、真隣のお宅は小さな子供がいないのでお裾分けしてもいいのだけれど、このお隣さんも実は家庭菜園をやっていて、放射能汚染が問題になるまではいろいろ出来たものをくれたのだが、最近はめっきりくれなくなった。不作というわけではなく、多分、同じように「遠慮」しているのだと思う。(そうとも知らずこの間出来たじゃがいも十個もあげちゃった訳だが・・・。)

かと思ったら、先日、裏の小学生(低学年)のいるお宅のお父さんがやってきて、「ブラックベリー、採りませんか」と誘ってくれたりして、ええ~?。そのお宅では玄関の横に立派なブラックベリーの木があって、たくさん実がなりすぎて食べきれないから手伝えと。思いっきり露地栽培なんだが、子供には食べさせているのだろうか。いや待てよ、子供に食べさせたくないから俺に・・・!?? いやいや、まさかね。実際、美味しく頂きました。m(_ _)m 砂糖と一緒に鍋で煮て、ドッロドロにしたらざるで「こす」。種と余分な皮を除いて、シロップ状になったものを製氷トレー(小分けのやつ)に均等に流し込む。で、冷凍するとブラックベリーのシャーベットが出来上がる(写真参照)・・・・というわけ。普通に美味い。


ところでお裾分けと言えば、「ゴーヤどうすんの?」という問題に触れないわけにはいかない。園芸をやっていない人には「?」かも知れないが、電力不足が叫ばれるようになった5月頃から、「緑のカーテン」がほとんど日本中で「推奨」されるようになり、葉っぱが大きくて遮光性の高い「ゴーヤ」の需要が急上昇、売り切れ続出の事態に。(このゴーヤブームが汚染された腐葉土や培養土を日本中にばらまくのに一役買ったのは言うまでもない)
そんな空前の「ゴーヤブーム」が日本を席巻したのだが、それから二ヶ月ほど経ち、そろそろ実が出来はじめているはずだ。ゴーヤは結構多く果実を付ける。それはそれでいいのだが、岐阜大学・応用生物学部・園芸研究室の福井教授のコラムによると、ゴーヤに飛びついた人たちはこの夏悲惨な経験を強いられるだろうという。以下引用

 

「ゴーヤは成長が早く、グリーンカーテンには最適な植物です。しかし大きな欠点があります。それは果実が実ることです。1株のゴーヤの苗を育てると、最盛期には毎週5~6個の果実が収穫できます。グリーンカーテンとしてゴーヤを育てる人は、園芸番組や園芸雑誌の影響もあって、プランターで3~5株を育てているようですが、恐らく7~8月には毎週20~30個のゴーヤが収穫できることでしょう。はじめの頃は「まぁゴーヤがなった!」といって喜んで収穫した人も次第に消費しきれなくなり、ご近所に配ることでしょう。しかし、ゴーヤを食べ慣れている沖縄県の人でない限り、毎週数本のゴーヤを消費できる家庭は多くありません。収穫されたゴーヤの果実を前にして途方に暮れることでしょう。」

確かにもらって嬉しい野菜とそうでないモノがある。ゴーヤはおそらく冬瓜と匹敵する「困っちゃう野菜」のひとつだろう。それにくわえてこの放射能問題がある。福井教授は「ご近所に配ることでしょう」と仰っているが、岐阜ではどうだか知らないが、東日本では家庭菜園の野菜を「お裾分け」することさえ自粛せざるを得ない「空気」というのがあるので、配るに配れないのではないか。となると大量に出来たゴーヤの行き着く先は、やはりゴミ箱ということになる。
うちは「緑のカーテン」はアサガオかフウセンカズラと決めているのでゴーヤには見向きもしなかったが、ご近所を見渡すと、ゴーヤ、ゴーヤ、ゴーヤ・・・・。ほぼ全てのお宅でゴーヤを育てている。
ゴーヤといえば沖縄だが、かつて沖縄で「ソテツ地獄」(食糧難でソテツばかり食べていた)というのがあったように、今年は関東で「ゴーヤ地獄」が始まりそうだ。





放射能・汚染腐葉土 | 23:27:54
汚染腐葉土 続報

腐葉土の放射能汚染だが、とうとう既存マスコミでも取り上げられるようになった。

7月25日付毎日新聞 【放射性物質 栃木からの腐葉土 セシウムを検出】
記事はコチラ

今度は秋田のホームセンターで市販されていた腐葉土からセシウムが検出されたそうだ。栃木産の腐葉土の流通網恐るべし。ともあれ、これで腐葉土汚染がただのネット上の「噂」ではなく、「ニュース」になったことは一歩前進だ。
また、昨日(25日月曜日)発売の「週刊現代」にも『汚染腐葉土 関西のホームセンターで発売中』という記事が載った。
「現代」は、大阪在住の読者から情報提供を受け独自に調査。すると大阪の某ホームセンターの腐葉土から平均で1.22マイクロシーベルトの放射線量が検出されたという。(最高で1.36)

この店では動画と同じ腐葉土は置いていなかったが、客からの指摘を受けて一部の腐葉土の販売を停止していた。それでもやはり検出されてしまうのだからやり切れない。ちなみにこの腐葉土も栃木産。鹿沼市にある製造元の業者の話では―・・。

「6月下旬に当社の腐葉土の線量が高いとネットに情報が流れ、いくつかの商品を回収したところでした。今回ご指摘の商品は大きな汚染が起きていないと思っていただけにショックを受けております。すぐに調べて対応します」

「この腐葉土は栃木県内の針葉樹と輸入物の落ち葉を混ぜ、屋外で寝かせながら攪拌と発酵を繰り返してつくります。少なくとも2~3ヶ月は屋外で寝かせますので、その時に汚染したのかも知れません」

これを受けて農林水産省農産安全管理課の担当者は・・・

「汚泥肥料については6月24日に基準を定めましたが、腐葉土に関しては現在基準値はありません。我々も汚染された腐葉土があることは把握しており、近々に実態調査を始めたいと話し合っています」


「現代」は、「福島第一から150キロ以上離れたこの農園に製造者責任を問うのは酷だ」「ホームセンター等の現場は消費者のことをきちんと考えたいと思っている」とし、指針を出さない政府・行政の怠慢にこそその責任があると結論している。

 

ネット上では日に日にこの問題を不安視する声が高まっているので、さすがに無視できなくなったのだろう。ちなみに、1回のレントゲンで受ける放射線量が約50マイクロシーベルト。人間が一年間に浴びる自然放射線量が世界平均2.4ミリシーベルト。(ミリはマイクロの1000倍)。こう考えるとそれほど高い数値でもない気がするが、「だから安全、気にせず使いましょう」ということにはならない。
なぜなら、「安心」というのは数値化できないものだからだ。科学的に100パーセント「安心」とされていても、人間の感情というものはそんな単純に出来ていない。そう出来ていたらさぞかし楽だろうと思うが、残念ながら「安心」かどうか決めるのは客観的な数値や数字ではなく「空気」や、「気の持ちよう」といった非合理的な感情によるところが大きい。合理主義者からするとこのような日本人の「空気依存体質」は付ける薬のない「害悪」でしかないだろうが、そういう民族なんだからしょうがない。どんなに綺麗にクリーンアップされた新築同然の部屋を紹介されても、「以前ここで住民が殺されました」と一度聞いただけで住むのを止めるだろう。それがデマだろうとなんだろうと関係ない。一度心に染みついてしまったそのような「悪い情報」というのは払拭するのはなかなか難しい。潔癖症の日本人は、目に見える物に対してはもちろん、目に見えない物に対しても潔癖なのだ。


といって、だからもう二度と僕たちは気持ちよく腐葉土を買うことは出来ない。などと言うつもりはない。政府・行政が「安全です」と言えば済む話でもないが、基準値なり指針を示してはじめてみんなが「安全」と思える、もしくは「そう思いたい」という空気が醸成されはじめる。今のように後手後手以下の対応では消費者は疑心暗鬼になるばかりだ。



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放射能・汚染腐葉土 | 02:25:26
消えた腐葉土

市販の腐葉土から高濃度の放射線が測定された、という趣旨の動画がユーチューブにアップされたのが6月24日。僕がこの動画を見たのは7月17日。衝撃的だったのでその日にブログで紹介したが、その後大メディアの報道に上る気配はなく、やれやれと思っていたら25日には毎日が、そしてこの問題を扱った「週刊現代」が同日に発売され、そして翌日にはもうNHKが夕方のニュースで報道していた。するとそれまで公式のコメントを控えていたケーヨーD2のホームページにもこのような文書が。(25日公表)

 

本日、週刊誌内で、一部のホームセンターにおいて、「汚染腐葉土」が販売されていると認識される報道がございました。お客様にはご心配をお掛けしますが、現状政府による放射能により汚染された腐葉土に対する安全基準が不明確な中で、弊社では、農林水産省および原子力安全委員会など公的機関が示した放射性物質に関する指標等を参考に、いずれもその指標を下回る値の商品を仕入れ販売を行っております。
なお、お客様へご心配、ご不安をお掛けしないために、念のため腐葉土全品(国産)を売り場から撤去しました。また、原産地を海外へ変更する手続きをすすめております。

 
後手後手対応の民主党政権への批判がちらりと覗く文面は良しとするが、ひとつ言いたいのは、ネットの中でどれだけ騒ごうと、動画を見て不安を覚えた消費者がどれだけ質問しようと変わらなかったものが、週刊誌がたった1ページ記事を書いただけで動く。メディアの力とはこういうものかと改めて思い知らされた。


当然のことながらホームセンターからは腐葉土が消えた。(これはD2ではありません) 


  
   



秋田県内の店舗で汚染腐葉土を売っていたコメリでは。。。





誤解の無いように言っておくと、僕は好きこのんでこの問題を記事にしているのではない。もしかしたら「こいつは企業の怠慢をつついて喜んでいるのだ、暇な奴め・・・」と思う人もいるかもしれないが、全く逆である。まず第一に、園芸愛好家にとってホームセンターとは「癒しの空間」であり、刺激とアイデアをくれるテーマパークみたいなものだ。その「癒しの空間」が困った状況に追い込まれているのを見て愉快なわけがない。むしろ悲しみで一杯だ。特にコメリは店内BGMが「神」なので、ホームセンターの中で最も気に入っていた。(家の近くにはないのでわざわざ車で一時間かけて隣の市まで行っていたのだ!)
第二に、「週刊現代」の言うように、全ての責任は国・行政にある。確かにネット世論を軽視する企業の体質には怒りが湧くが、汚染されていると知っていながら売っていたわけではないし、ホームセンターの中には客の指摘を受けて既に自主的に腐葉土を引っ込めていた店もある。原発事故は東電の責任だが、その後の対処によって生じた混乱の責任は民主党政府にある。彼らが正しい情報(特にSPEEDI)を素早く開示し、国民に説明し、今後予想されるであろう事態に対して適切な処置を講じていればこのような事態にはならなかった。そう考えればホームセンターならびに製造業者はいわば民主党政権の無策・不作為によって損害を受けた被害者である。

そうは言っても汚染された腐葉土は元には戻らず、僕たちガーデナーの怒りや不安が払拭されるわけではない。腐葉土がなければ花が咲かない、というわけではないが、腐葉土というのは料理で言うところの「ダシ」みたいなもので、美味しい料理を作るのにダシが必要不可欠なのと同じで、元気な花を咲かせるためにはどうしても必要な「材料」なのだ。

言っても無駄だろうが、民主党政府はいつまでも「トウデンガー」「ジミンガー」「ジチタイガー」と駄々っ子みたいなグズを言ってないで、「損害とか賠償とか全部国が責任もつからさっさと対処しろ!」と自治体に指示を出せ!そうすれば1ポイントくらいは支持率もアップするだろう。いや、もうアップしなくていいけど・・・・。


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放射能・汚染腐葉土 | 23:51:16
腐葉土の基準値、400ベクレル

高濃度の放射線セシウムを含む腐葉土が流通していた問題を受け、農水省は1日、堆肥、腐葉土の基準値を1㎏当たり400ベクレルとすると発表した。
記事はコチラ(毎日新聞)

記事によれば、肥料(家畜排泄物やわら、落ち葉など)のほか、砂、土壌改良材、苗を育てる培土など土に施されるもの全般にこの基準値が適用されるそうだ。これによって25日に出されていた東日本17県産の肥料の出荷・使用自粛指示は解除され、再び店頭に腐葉土や肥料が並ぶことになる。
「さっさと基準値を出せ!」と言い続けてきた僕からすると、基準値が出たこと自体は朗報なのだが、だからといって「めでたしめでたし」とは行かない。

 

どこまでもなめられるネ論(ネット世論)

 

ちなみに農林水産省・農産安全管理科の担当者は栃木産の汚染腐葉土が流通していたことについて、 
「対策が間に合わず残念だ」
とコメント。「申し訳ない」ではない、「残念だ」である。まるでヒトゴト。それとも「自分は事前に対策をしようと努力したが大臣がアホ、官邸がアホ、首相がアホすぎてどうにもならなかった」とでも言いたいのだろうか。たとえそうだったとしても、「残念だ」で済まされることではない。この一月半もの間、どれだけ全国の畜産家、製造業者、販売店、そして園芸愛好家たちが気を揉んだと思っているのか。そもそも、あなたたちは対策などしていなかったではないか。

百歩譲って、確かに大手マスコミで汚染腐葉土が取上げられたのは先月の25日だから、そこから数えれば一週間で基準値を出したことになり、「早い対応」と言えなくもない。特に25日以降のニュースではじめてこの問題を知った人はそう思うだろう。
しかしネットの中ではそれよりずっと前から不安の声が上がっていたのだ。もっと言えば、原発事故が起こった直後からこうなることは子供でも予想できたわけで(子供ごめん)、そう考えると「対策が遅れた」なんてレベルではないし、ましてや「残念だ」で済む話では毛頭ない。ネット世論(面倒なので略してネ論と呼ぶ)を軽視する傾向はホームセンターにもあったが、僕の知人がこのブログを読んでこう言っていた。「腐葉土の問題でネットで騒いでるのって大半が本当に園芸やってる人なんでしょ?その人たちってホームセンターとかにとっちゃ大切な『お客様』なんじゃないの」と。
僕もそう思う。この汚染腐葉土に限って言えば、「ネ論」を作っているのはいわゆる「不安厨」と呼ばれるような人たちではなく、日常的にホームセンターに行き、そしてこれからも(明日にでも)腐葉土を買おうとしている園芸愛好家たちである。僕の知人が言うように、これらのネ論を、そしてネ論を形成するネットユーザーを軽視することは、この場合、そのまま消費者を軽視することにつながる。
たとえばアイリスオーヤマ。汚染腐葉土を測定した動画の中でこの会社が販売している「ゴールデン粒状培養土」からも放射線が測定されていて、一部の園芸愛好家から不安の声が上がっている。このブログにも「アイリス ゴールデン粒状 汚染」といったキーワードでやってきている人が少なくない。
実際、この「ゴールデン~」が汚染されているのかそうでないかは分からない。当のアイリスオーヤマがいつまで経ってもホームページにコメントひとつ出さないからだ。そしてそのことがさらなる不安を呼んでいるのは間違いない。(園芸コラムや園芸に関するQ&Aは豊富すぎるほど掲載されているが、放射能汚染に関する質問やコラムは皆無)

 

「たかがネットだから」、「ネットの中で騒いでるだけだろ」とネ論を軽視していられる時代はとっくの昔に過ぎた。実際、どのメディアより早く汚染腐葉土の問題が注目を浴びたのはネットである。そういう意味で、週刊現代のたった1ページの記事にビビッてその日のうちにコメントを発表したホームセンター各社にはがっかりした。お前らの「お客様」は週刊現代の記者なのか??そうではないだろう。本当の「お客様」は、いまネットの中にいる。僕たちはもう「サイレントマジョリティー」などではないのである。

 

※ちなみに飲料水の成人の基準値がヨウ素131=300ベクレル、セシウム137=200ベクレル。腐葉土400ベクレル/㎏というのが高いのか低いのか、申し訳ないが僕には分からない。そもそもこの水道水の基準値自体がいい加減なので、比較してもあまり意味はないかも知れない。(水道水の原発事故以前の基準値はヨウ素、セシウムともにたったの10ベクレルだったが、震災後30倍に引き上げたからだ)


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放射能・汚染腐葉土 | 01:02:47
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